第1話『恐怖の時間』 ページ34
杏奈side
私は今、とっても気分が下がっていた。
なぜって、探偵チームKZの活動が休止しているから。
理由は簡単で、きっと若武くんが忙しからだと思う。
私は前にKZと一緒にいて、どれだけこの活動が楽しいかある程度理解したつもりだ。
だからこそ、もっとみんなと関わっていきたいし、事件を一緒に解決してみたい。
それなのに連絡が来ないなんて、絶望としか言いようがない。
でもある日、突然、小塚くんから連絡が来た。
「若武が、明日話があるから、授業が終わったあと談話室に集合だって」
私は思わずスマホを強く握り締めガッツポーズ。
「なにか事件なの?」
「わからない。でもビックニュースみたいだよ。若武の声、力が入ってたもの。これでKZの未来も明るいって言ってたし」
なにそれ楽しみ!
それで私のテンションは一気に上がり、次の日はついつい早起きしてしまった。
だから、なるべく早く学校に行って、授業の予習をしようと思ったんだ。
電車に乗って最寄り駅まで着くと、美門くんを含め3人のバスケ部員がいた。
朝練かな。
美門くんは私に気づくと、こちらに駆け寄ってくる。
「神崎、KZの集合の話、聞いた?」
そう聞いてきた美門くんはとっても嬉しそうで、KZの活動が楽しみなんだなって思った。
「うん。とっても楽しみだね」
「せっかくだし、一緒に学校行こ。あ、バスケ部も一緒だけどいい?」
私はあんまり初対面の男の子は得意じゃないけど、美門くんの友達だし大丈夫だろうと思い頷いた。
私たちは4人で学校に向かう。
その時だった。
駅の裏まで来たところで、目出し帽を被った男の人たちが、私の目の前に現れたのだ。
そして男たちは、いっせいに私たちに襲いかかってきた。
美門くんは咄嗟に私の前に立って私を守ろうとしたが、男の人に殴られ、地面に倒れ込む。
そこからさらに殴られ蹴られ、他のふたりも1、2発ほど殴られていた。
「おい。女もいるぜ。どうする?」
「まあギリギリ遊べそうな女だな」
私の前でそんな会話が繰り広げられる。
男が私の腕を掴む。
すると美門くんは、痛む体を無理やり起こして私に手を伸ばす。
「やめろ!」
美門くんがそう言うと、男は私から手を離し、イラついたように美門くんをまた殴る。
「美門くん!!」
私は男の人の腕にしがみつく。
「やめてください!」
全力で止めようとするが、男は私の腹部に蹴りを入れてきた。
初めて味わった苦しみに、私はその場に崩れるように座り込む
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桜@ひなた - 落ちは、翼がいいと思います! (2023年2月19日 18時) (レス) @page4 id: fb711c9d23 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - オチは、翼か黒木くんがいいです!推しなので・・ (2022年2月27日 8時) (レス) @page3 id: 8e64252870 (このIDを非表示/違反報告)
Snow(プロフ) - オチは翼がいいです!! (2021年3月19日 12時) (レス) id: 1bc28cf27b (このIDを非表示/違反報告)
マカロンY - 320526 オチは翼 (2021年3月4日 21時) (レス) id: 23d1cff2e4 (このIDを非表示/違反報告)
bigaru(プロフ) - 落ちは翼希望です!翼落ちのお話が少ないので・・・ (2020年7月29日 19時) (レス) id: 4e79474d44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:澪 | 作成日時:2020年6月17日 0時