笑顔の仮面は知っている2【探偵チームKZ事件ノート】 (ページ32)

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第79話『ハッピーエンド』ページ32

杏奈side

「これだけ上手くいったら、他のことは、もうどっちでもいいんじゃない？あまり多くを望んじゃ、いけないと思うよ」

うん、そうかも。

あ、そうだ。

私、まだKZで仮入団しておきたいこと、みんなに言わないと。

「あの」

私がそう声をかけると、みんなは私に目を向ける。

「今回探偵チームKZに仮入団させてもらって、みんなが事件を解決していくのを直に見させていただき、このKZというチームが本当に素晴らしいものだと実感しました」

みんなは嬉しそうに笑う。

「そして、私もKZに入団したいと強く思うようになりました。ですが、まだ完全に入団するには、私の能力は及ばず、みんなの力になれる自信もないので、もう少しだけ仮入団として、ここにいさせてもらいたいです」

そこまで言うと、私はみんなの顔色をうかがう。

みんなが若武くんに目を向けたので、私も若武くんをじっと見つめた。

「ダメ・・・ですか？」

若武くんはわざとらしく咳払いをし、私のことを真っ直ぐ見た。

「神崎杏奈が仮入団を続けることを許可する」

やった！

「でも、今度事件が起こったら、いろいろ任せることとか増えると思うから、その時は自分の能力を最大限に発揮してくれ」

私はにっこり笑って大きく頷いた。

「もちろんです！本当に、ありがとうございます！」

私は背筋を伸ばして、みんなを見回す。

「ご迷惑をおかけするかもしれませんが、これからよろしくお願いします」

こうして私は、KZに仮入団することになった。

美門くんに会ったら伝えよう。

私、KZにハマりそうだって。