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ーーー真っ暗な闇のなか。
私は、チカとふたりでいた。
此処はどこだろう。
真っ暗で、何も見えない。
「……チカ？」
どれくらい経っただろうか。
隣にいたはずのチカが、見当たらない。
右手に残ったのは、
首輪がつながったリードだけ。
「チカ…っ…」
辺りを必死で見回すと、
私の足元から数メートル、
ひと筋の光が伸びている。
その光の先に、彼女はいた。
こちらを向いて、尻尾を振っている。
今にも走り出してしまいそうだ。
「おいで！そっちに行っちゃダメ！」
私の呼び声も虚しく、
チカはどんどん先へ進んでしまう。
私が追いかけても、
あっという間に引き離される。
両足が沼に嵌ったように、重い。
「やだ……チカ………行かないで……」
はるか先、白い光のなか。
ゴールドの毛並みがまぶしい光を受けて、
チカの姿は見えなくなる。
「やだよ………」
「…A」
懐かしい声が、私の名前を呼ぶ。
久しぶりに聞く、大好きな声。
チカの姿は、いつの間にか
お母さんに変わっていた。
こちらを向いて、微笑んでいる。
「ひとりにしないで…………お母さん」
眩むようなまばゆい光。
私も一緒に連れてって、
足を踏み出そうとした、
その時、
「Aさん！」
誰かに、後ろから強く腕を引かれる。
聞き覚えのある声。
振り返っても、顔はもやがかかって見えない。
でも、纏ったやさしい香りを
私は知っている。
…このひとの香り、
なんで知ってるんだっけ。
記憶を手繰り寄せる。
あぁ、そうか。
私、この人の胸で泣いたんだ。
いつの間にか、
暗いもやは晴れて、真っ白い空間に
私と、そのひとのふたりだけだった。
「…また、助けてくれたんですね」
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凪(プロフ) - ゆりゆりさん» ゆりゆりさん、お返事遅くなりすみません; ; 今年も読んでくださって嬉しいです♪ 続編もよろしくお願い致します！ (2021年1月30日 12時) (
レス) id: bb946f24d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりゆり - 今年も凪さんの作品を読ませていただきます。よろしくお願いします！ (2021年1月5日 13時) (レス) id: 0450509319 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりゆり - あけましておめでとうございます (2021年1月5日 13時) (レス) id: 0450509319 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凪 | 作成日時：2020年12月25日 16時
