熱 愛 報 道 【呪術廻戦】

◇ 飽和可愛い量 ページ4

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五条くんや1、2年の生徒たちから研ぎ澄まされた日本刀のように鋭い視線を向けられ、ピリピリと体が痺れる。





「 えっ、この人めっちゃ小桜Aに似てる 」





修羅場と言うのに相応しい、この張り詰めた空気を切り裂いたのは何ともこの場に似合わないカラッとした声だった。


声の主は、はじめましての男子生徒。
新入生だろうか。






「 似てるも何も、小桜A本人だよ 」

『 はじめまして、本名は桜井Aって言います。
ややこしいから、名前で呼んでもらえると嬉しい 』

「 えっ、まじで本人なの！？！？
やっべー！！東京すげー！！！！！！！
握手してもらってもいいですか？？」






握手してあげると、「芸能人と握手しちゃった！！」と嬉しそうにぴょこぴょこ跳ねた。

しっぽをぶんぶん振り回す大型犬みたいで可愛い。こんないかにも好青年、犬系男子ですみたいな純情な子がこの界隈で生き抜けるのか、お姉さんは心配です。


じっと彼の顔を見つめると、目の下に傷がある。今年の1年生には宿儺の器がいるらしいけど、もしかして彼がそうなのだろうか。



名前はたしか＿＿＿





『 虎杖悠仁くん、だっけ？ 』

「 俺の名前知っ…… 」





虎杖くんの目の下にある傷のようなものを、
親指で1度なぞる。あ、ほっぺ赤くなった。

ここが宿儺の目に当たるのか。
そう思っていると、ぐいっと体を引っ張られる




『 ど、どうしたの恵？ 』

「 あんた、それ無自覚でしてるんすか 」

「 お！か！か！ 」





引き寄せられて、恵の胸板に頬が当たる。
つい、この前までは肩を並べていたはずなのに、
恵の身長は私より頭1つ分高い。

大きくなったなあ、なんてしみじみしていると、棘が私と恵を引き離した。ジッパーの下に隠されたほっぺがぷくっと膨らんでいてハムスターみたい。


今日は可愛いが飽和状態だな。
飽和可愛い量超えて水滴できそう。





「 Aは人との距離感をもう少し考えた方がいいゾ 」

「 僕もそう思うな 」

「 パンダに人との距離感説かれて恥ずかしくねえのか 」

『 いひゃいよ、真希 』





距離感？？至って普通だったと思うんだけど。

ほっぺを引っ張る真希。
自分の力量考えて？超痛いんですが。




頰が落ちる(物理)寸前に離された手。

ふう、と一息つくと今度は背中に衝撃が走る。






『 え、五条くん… ？ 』

「 どういうことか説明しろよ 」




なんで私、五条くんに壁(木)ドンされてるの？




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