Blindly Obeys (ページ8)

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目の前にズラズラと書かれる数式を
何も考えずにノートに写していく。

誰も、何も喋らない為、
シャープペンがノートを滑る音だけが
教室内にとてもはっきり聞こえる。

『よくお前こんな静かな中できるよな。』

あぁ勿論、私以外の生徒の耳には、だ。

私の場合透明化して私の後ろに立っている
ジョングクくんの声が
ハッキリと聞こえているため、
シャープペンの音なんぞ聞こえりゃしない。

『そういえばお前、テヒョニヒョンの
昨日の質問の意味分かってないんだっけ。

最後のあの、なんか飲まされたかってやつ。』

シャープペンのヘッドをノックし
芯の長さを調節する。
これは先程ジョングクくんから提案されたもの。
数学教師の能力は、監視らしく。
現在私達のノートは
全て彼に把握されているらしい。
つまり筆記をサボったりしようものなら
即バレ、ということだ。
だからバレないように問の答えが
YESなら教科書を触り、
NOならシャープペンを触る、と。

『アレさぁ、普通は飲まされんだよ。
ちっこいカプセルみたいなの。

ヒョン達は飲んでない、って事実の方を
優先したみたいだけど明らかにおかしい。
あの時お前は何のことだか分からないような
そんな顔をした。

飲んでたらテヒョニヒョンの能力で分かる、
飲んでなかったらアレは何か、という話に
あの場所でなるはず。
別に言えない空気じゃなかった。

ということは、飲まされていない。
違うか?飲まされた?』

違わない。
そんな話は彼から聞いたのが初めてだ。
シャープペンのヘッドを親指で撫でる。

『ついでに疑問を解決しといてあげる。

そのカプセル、保健医の能力でできたもの。
中身は分からない。
ただ、飲んだ奴は全員こんな、
機械みたいになっちゃう。

先生の言いなり。
お前もよそから来たなら分かるだろ?
普通授業の時なんて
周りの人と話したり、手紙回したり、
早弁したり居眠りしたり。
こんなシャープペンの音が聞こえるのなんて
明らかに普通じゃない。』

分かる、分かるとも。
教科書のページを触る。

『でもそれすら分かんなくなるんだよ、
あの薬みたいなの飲むと。

記憶が全部書き換えられるみたいに、
授業はこんなもの。大人に従えって。

だから、この学校を出た時のことを
知ってる奴らは割といるけど、
それに一切逆らえなくなったあとだから
どうしようもできないって訳。』

授業終わりの鐘が鳴る。

『……なぁ、

お前一体何者?

なんで薬飲まされてないの?』