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＊
空気が冷たくなり始めた11月の始め。
屋上には持ち込まれたであろう椅子に座らされた私に向かい合うように思い思いの椅子や机に腰かけた7人のヤンキー改め園芸部員たち。
「チェ Aさん。」
昨日の出来事は今まで無効化の力で能力者とのトラブルをすべて回避してきた私の記憶に重く残されたのか、ナムジュン先輩にフルネームを呼ばれて思わず肩に力が入った。
「あ……昨日はその、ごめん。今は単に大切な話をするから呼んだだけ。
本題の前に、まずは謝らせてほしいんだ。」
「こないだ、俺とジミンの指導の場に来た時あったよね。
あれ、昨日ジョングクからほんとのこと聞いた。俺たちを助けに来てくれてたんだよね。
それなのに俺たち、Aのこと信じられなくて、教師側じゃないかと疑った。
本当にごめん。」
先輩の両サイドから一歩出てきて頭を下げたのはテヒョン先輩にジミン先輩。
「いえ、私もあの日、しっかり本当のことをお伝えせずすみません。」
「俺も。ごめんなさい。あの日、助けてくれてありがとう。」
「俺も!ありがとうねA!」
私の方にそのまま歩み寄って、思い思いに私の頭やら頬やらを一撫でし私の後ろに控えるように立った。その様子を静かに眺めていたナムジュン先輩が再度口を開く。
「俺からも、昨日のことについて謝らせてくれ。
能力を使って、聞きたくないことまで無用に聞き出してしまってすまなかった。」
「それに関しては私は全く悪くないので……いや、ありました。
先輩、昨日は突き飛ばしてしまってすみません。そこまで力を入れたつもりはなかったんですが……大丈夫でしたか?」
すると自業自得だから大丈夫、と訳の分からない返答。
首を傾げると、どうやらそれは彼の反動だったようで。
昨日、その全てを把握しているグク君が他二人に説明したようだった。
あまり公にしたくないのは変わらないが、あんな怪我沙汰までなると思ってなかったのが本音だ。
人に怪我をさせる可能性があるとわかった以上、それを教えたグク君を責める理由はないため後ろの方で暗い顔していたグク君に首を振っておいた。
「それで、恐らくお互いの腹の内を全て曝した今。改めて本題なんだけど。
A……俺たちに、協力してくれないかな。」
「あの、お忘れでしょうが私は……
「覚えてる。その上で言ってる。
これは俺の勝手な妄想かもしれないんだけど……
Aも、俺たちと似たようなことしようとしてないか?」
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