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026-V ページ26




初めは、見間違いかと思った。
本当に少しだけ、
赤いオーラみたいなものが出たように見えた。
それでなんとなく、問い詰めるというより
疑問に思って聞いてみた。

「いえ、まぁ緑化目的ではありますが。

先輩が仰っているのとは違うことは分かります。
しかし先輩がお思いのようなことはなく、
部活だから育てている程度ですよ?」

するとやっぱり。
目の前のAがとぼける度に
じんわりと赤く光る。

うーん、こんな半端な反応はあまりないけど…
多分、部活として育てているのもあるが
他の目的として使おうとも考えている?

「もしかしてここにあるのは全部毒草で、
俺達を眠らせて先生に突き出す、とか。」

「それはないですね。」
光らない、本当のことか。

「先生から何も聞かされずに
ここに育てろと言われた?」

「それもないです。
創部したのは間違いなく私です。」
これも本当。

「創部理由は?」

「この高校の緑化、風紀向上。」
少しだけ光る。どこかが嘘。でも生徒指導室が創部を許可する理由なんてそんなもん。
となると、先生に言ったこの理由が嘘。

「本当の理由は?」

黙り込むA。

「…ここの屋上って貯水タンクがないんですね。」
何を言い出したかと思えばこの屋上の構造。

「そーだね、昔からこの辺雨降らないし。
その代わりにでっかい電圧盤あるけどね。

…あ、ごめん嘘。
俺あの中身はよく分かんない。」

「いや、見た感じそれっぽくはありますよ。」

だからなんだって言うんだ。
「それがどうしたっていうの?
本当の創部理由は?」

「それがヒントです。
嘘は言えないですが、こちらもまだ
話せるほどの段階にはなっていないので。」
話せるほどの段階?

「つまり、何かを計画している。
しかもこの植物を使って、それで正解?」

「だからこれ以上は言えませんって。」

それから何度その話題に触れても
頑なに口を噤むので、
俺はそれ以上の情報は得られなかった。

まぁ俺、他にも沢山聞くことあるんだ。
「じゃあその代わり違うこと聞いていい?」

「タブーなこと以外なら。」
って、そのタブーなんて分かるわけないじゃん。

「俺とジミナが前に捕まった時、
Aは助けに来てくれたの?」

「さぁ?」

「じゃあこの学校でどっち側なの?」

「さぁ?」

…はぁ。思わずため息が漏れる。

とりあえず…
答える気が全くないのは分かったよ。

「じゃあ逆に答えてくれる質問は?」

「そうですね…好きな食べ物とか?」


「喧嘩売ってるの?」

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作者名:朔夜 | 作者ホームページ:無し  
作成日時:2019年3月12日 20時

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