024 ページ24
＊
「…おいチェA。」
クラスへ戻るべく
廊下を歩いていると後ろから声。
振り向くと、転校手続きの際に会ったきりの。
「……副校長先生。」
「あぁ、久しぶりだな。今大丈夫か?」
重い声に思わず身構える。
「はい。」
「まぁ…立ち話も何だから、
よかったらこっちでゆっくりと、な。」
そう案内された先はまさかの校長室。
「失礼します。
チェAを連れて参りました。」
「入れ。」
嘘でしょ、嘘ですよねぇ。
「失礼します。」
頭を下げ入室するやいなやとりあえず座れ、と
進められた席は校長先生の真向かい。
そのまま私など構う様子もなく
「お前はチェ イェジュンを覚えているか?」
覚えているも何も、告げられたのは
ここの卒業生であり。
「…はい、私の兄の名ですが。」
私のたった一人の兄。
「覚えているのか。…そうか。
お前は無効化だからと飲ませなかったのか。」
あ、例の薬の話だ。すぐに合点がいった。
やはり私は飲まされなかったのか。
でも兄も、ここに入学後おかしくならなかった。
となると、自分の能力で
飲んだような幻を見せたのだろう。納得した。
「イェジュンが何かしましたでしょうか?」
まぁ、飲まなかっただけで
卒業後は兵器として出て行ったが。
このままそういう幻を見せて
暫く姿を晦ますことも可能だった。
しかし、学友を見捨てられなかったらしく。
妹ながらお人好しだなぁ、と思った。
その兄が、何をしたというのか。
「あぁ……先日、チェ イェジュンは前線にて
無念の戦死を遂げた。」
「……そうですか。」
能力も言ってしまえば幻を見せるだけ。
バリバリの文化系だし運動音痴だ。
そんな彼に、前線。驚きすぎて声も出ない。
舐めているのか、ただの兵器だと?
「あまり、悲しげな様子がないが。
お前にとっては唯一の身内ではないのか?」
「ぁ……すみません。突然のことで、少し。
動揺してしまって……」
私が兵器になるのも、なんでもよかった。
でも。
許さない、ゆるさない。
───
今日携帯ショップで彼らの書かれた冊子を見つけた作者です。
前作、今作共にここ数日だけで様々な方に見ていただけて…本当にありがとうございます。
作者冥利に尽きます。
今後ともご愛読よろしくお願いします！
因みに今作も恋愛要素を盛り込む予定は全くありませんがもしご要望があるようでしたら完結後にアナザーストーリーとして短編でそういうものを出したいです。
その他ご感想、ご要望等ありましたらお気軽にどうぞ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 90人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
