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ふらついた足取りで階段を降りる。
2人、いや4人分の反動を肩代わりしたせいで
テヒョン先輩の分かジミン先輩のものだろう。
頭は割れるように痛いし
貧血のように視界が揺れる。
先生のは症状があまり出ないので
なんなのかよく分からないが。

もうこれで分かったかもしれない。
私の能力の反動は、近くにいる人の
反動を無差別に『肩代わり』する、というもの。
そこに私の能力は一切干渉しない。
歩いてるだけで肩代わりするのだ。

あまり言いたくなかったのは、私が近くにいると
私に対して能力は効かないものの
反動を何も気にせず能力を使えるし
使われる可能性があるから。

ちなみに先生にはそれを把握されている為
私が早退したいと言うと
二つ返事でOKしてくれた。

その為鞄を取りに、教室への階段を
ふらふらと降りていると。

すると残り数段のところでかくん、と傾く世界。
あ、階段踏み外したかなぁ…
危ないのは分かってるけど
頭はぼんやりと現実を認識するだけ。

地面への衝撃を覚悟した時、
ふっと体が持ち上がる。
というより抱きとめる形で支えられる。
「おいチェA。大丈夫か…?」

思わず閉じてしまっていた目を開けると
見慣れた鮮やかなミントグリーン。

「ユンギ先輩。」
そこには私とすれ違いで
階段を登ろうとしていたらしいユンギ先輩の姿。

「……おー、なるほどな。

お前もしかして指導教員に捕まってた?
しかもお前にとっては割と不利な。」
そっと壁に凭れるように手を離し笑われる。

「なぜ?」

「お前の無効化効いてねぇから。

反動、肩代わりだったんだな。」
話が読めない。
ただ、彼の言うことは正解だ。

「分からないらしいから教えといてやる。

多分お前が捕まった指導教員の反動は
『能力が使えなくなる』もの。
だからその反動を引き受けたお前は
今なんの能力も使えない。

つまり俺の情報閲覧で全部見られるってわけ。」

なるほど。

「でも、お前が指導を受けるとは考えにくい。
更にそんなに体調が悪そうなのも。
さっき体育やってたしグガと走ってた。

お前、誰の指導に乱入した?」
その声に責める様子や疑う様子はない。
単に好奇心だろう。

「テヒョン先輩とジミン先輩です。」
答えると、グクくんや他のメンバーから
そこそこ話は行っていたのか、
なるほどな、と頷くだけだった。

「てことは頭痛と貧血か、つら。」
笑うユンギ先輩に、だから早退します、と言うと
送ってく、待ってて。と言い残し
先輩は去ってしまった。

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作者名:朔夜 | 作者ホームページ:無し  
作成日時:2019年3月12日 20時

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