Blindly Obeys (ページ2)

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アレからSHR、授業と何事もなく時は流れ。

放課後。
とりあえず生徒指導から設立許可は得たので植える植物でも考えようと下見に行くことにした。
屋上の扉を開ける。

「Click,click.動かないでね」
途端すぐ傍から聞こえるとてもいい声……と共に突きつけられる右手。
所謂鉄砲の形が作られている。
そちらに目だけ向けると、明らかに関わらない方がよさげな男子生徒数名。

あんのオッサン……！と思わず心の中で毒づく。
部活も何も、ヤンキーの溜まり場じゃないか……！

「正直に言ってね、言わないと撃つから。
こんな風に。

Bang!」
少し私から指をズラして、幼稚園児がバーン！と撃つように手を揺らす。
するとスパン！と音を立てて地面に赤く光る弾の様なものが飛び、消える。コンクリートの地面には微かにキズ。これが能力か。

「さっき2発チャージしたからもう1発あるよ。

体に穴開けたくなければ正直に答えてね。
君はどこの誰？」
目を細めて笑う弾丸さん。

「……1Bへの転校生、です」

「テヒョンア」
私が正直に答えれば後ろを向く弾丸さん。

「ほんと。
あー、嘘だったら言うから続けて」
それに答えたテヒョンと呼ばれた男。恐らく能力だろうが、嘘が分かるんだろう。

「じゃあ次、名前を。フルネームで」

「チェ Aです」

「は？」

正直に答えた筈だが、聞き返される。
しかしそれは、さっきのテヒョンさんの声ではない。目をやると、怪訝そうな顔。

「すみません、もう1度いいですか？」

髪型は1番ヤバそうだが、話す言葉は1番まとも。敬語だし。

「チェ Aです」

「どうしたのナムジュン」

「いや、その……ジニヒョン。
聞こえないんです、彼女の名前だけ。
まるでテレビの砂嵐みたいに……」

あぁ、と心の中で納得する。
多分彼の能力には、相手のフルネームが必要なのだろう。
なんで分かるか。

「ねぇ転校生ちゃん。
なんの能力？妨害？隠蔽？」

「……無効化です」

それが、私の能力だからだ。

「Bang」

私の肩口に向けて躊躇なく発弾される。

しかしそれは当然と言うべきか、吸い込まれるようにして消えていった。

「何故ここへ？」

警戒するような声。

「つい先程園芸部を設立しまして。活動場所は、ここを使えと先生が。

とりあえず今日は様子見に来ました。
まさか、ヤンキーの溜まり場とは思わなかったですけど。
少しスペースお借りしますね」

しかし私も部活動が懸かっている。
そう簡単に引けないのだ。