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案内された一人掛けソファの手すりにグク君が腰かけたので彼の席だったんだろうか。
悪いことをしたなとも思ったがなら立ってろと言われて立ってられるほど私は元気じゃないのでお言葉に甘えることにした。
「さて、作戦は成功したわけだが。
これからどうする。俺とジニヒョンはもうどうせすぐ卒業だったからこのままにしろ卒業資格試験を別で受けるにしろそんなに苦じゃないが。問題はお前らなんだよな。
ちなみに俺はこのままどこかで能力の研究でもするつもりだ。」
「それ、俺達2年も加わっていいですかユンギヒョン。」
「昨日あの後、将来について話し合って。
能力を使って困ってる人を助けたりしながら俺たちの能力についての理解も深めたくて。
能力2つのマンネに負けたくないので。」
立ち上がったのはナムジュン先輩、ジミン先輩を筆頭にした2年生の先輩方。
「俺は……卒業資格試験を外部で受けて、大学まで行こうと思う。
だから……大学を卒業したらユンギに合流しようかな、それまでも遊びに行こうとは思うけど。」
それでもいいかな、と微笑むジン先輩。
「あー、ヒョンはともかく……お前ら勉強はいいのか。」
「はい。勉強はナムジュナが3年の範囲まで手を付けてるし。」
「あとはユンギヒョンもいるから最悪見てもらおうかな、と!」
俺頼りかよ、寝てたっつの……と先輩はため息をつくが、その顔は嬉しそうだ。
そこでふと気になって、手すりの上を見上げた。
「グク君は?」
「俺?俺もヒョン達についてくよ。
俺勉強嫌いだしもう能力だけ磨いて生きてくつもりだったから。
Aは?」
私。
気付けば皆さんがこちらを見ていた。
私は。
「……どこか、普通の一般高校に転入しようと思います。
今は半端なので独学で勉強して来年の編入試験でも受けようかなと。」
「それでいいのか?
必要なら俺がどこか適当に命令して通えるようにできるけど……」
心配そうにナムジュン先輩が私を見る。
でも、私はそう生きたい訳ではなかった。
「私は、あまり能力に頼らずに生きていきたいと思ってます。
今でも半数程度の人しか使えないと聞きますし、本来使えるものではなかったという話も耳にしたことがあります。
もちろん、必要に駆られたら使えるように上達はしたいと思っているのですが……」
「なるほど、それなら止めないよ。
あと、俺たちでよければ能力の特訓、付き合うよ。」
「皆さん……ぜひこれからもお願いします。」
「喜んで!」
fin.
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