Your Color (ページ28)

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27、泉貴side ページ28

月奈｢稜葵はね、恐れてるの。｣

泉貴｢恐れてる⋯？｣

月奈｢自分と仲良くなったせいで
誰かが傷ついてしまうことを。
思い当たること、あるでしょ？｣

確かに⋯

身体とか、まだ痕が残ってるし⋯

月奈｢稜葵が１人で暮らしてるのも
それが理由なの。
だからシェアハウスのことを
聞いたときは驚いた。
稜葵の両親が手を尽くしたのも知ってる。
それを稜葵も知ったから承諾したのかな。｣

稜葵は優しい。

誰に対しても、それは変わらない。

自分のために何かしてくれることを
稜葵は素直に嬉しいと思えない。

それは稜葵に目をつけている人物がいるから。

その相手が、どんなやつなのか
稜葵以外は知らない。

でも、はっきり言えるのは
稜葵が辛い思いを隠していること。

月奈｢今、そばにいてあげられるのは
シェアハウスをしている貴方。
何があっても、稜葵の前から
いなくならないと私と約束して？｣

今までになく真剣な顔で
少し不安そうに月奈は僕に言った。

泉貴｢そんなの約束するまでもない。
僕は稜葵のそばにいる。何があっても。｣

もしも稜葵が僕の前からいなくなっても
僕は稜葵から理由をちゃんと聞くまで
他のメンバーも納得するまで探し続ける。