36 前世と未来の私 ページ43
_____まずは、私の存在から
『存在……』
_____さっきも言った通り、私は前世と未来の貴方
『だからそれが_____』
_____うん、わかってる
私の前世はね、今のあなたの誕生日の日が命日だったの
そして、貴方が今生きているのは私の２回目
『２回……め？』
そう、２回目
私は一度死 んだ。紛れもなくこれは事実で、消せない過去
私は_____高橋Aはもう1度やり直したの
『貴方、が……？』
_____まさか、私じゃないよ
『一体誰が……』
____彼がだよ
『彼………？』
_____その手の話は時期にわかると思うから、もう一つ私の存在について話すね
『………』
____未来の貴方だって、言ったでしょう？それはね、
一回目の私がいるせいなの
『え？』
_____本来、貴方の未来はあなたしかいない。だけど、私がここにいる以上未来の貴方は私になる
『未来の……私がいないってこと…….？』
_____………簡単に言うと、そうだね
『私が……消える……』
_____……………
必然に訪れた沈黙
２人……いや、一人というべきか
同一人物には変わりないのだから
両者は口を割ろうとせず、ただ俯いてるだけ
_____消えたく……ない、
弱々しく吐いたのは一回目の方だった
『………でも貴方はどうせ_____』
私になる
その言葉を飲み込んだ
彼女の瞳を見る
全てが見える
過去が見える
心が分かる
『愛されたかったんだよね』
_____へ…
『上書きだけの愛情が嫌で、
投げたして散らかしたはいいものの、
一度壊れたものは直せない
絆も、心も
ハンプティーダンプティーのように。
貴方はえらいよ
だけどね
もう我慢しなくてもいいんだ
もうなにかに縛られなくてもいいんだよ
もう、責任感なんて感じなくていいんだよ』
_____どうして……
『だって、私と貴方は同じでしょ？自分のことは自分にしかわからない。そうでしょ？』
next____一度目の人生が途絶えた話
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 31人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クロ月夢文楽@ - specialの方から読んでいたので、最初、症候群を読んでて「はい？」と思って読んでたんですけど（ごめんなさい）最後、納得してから涙が止まりません…！凄い感動しました！ (2017年4月4日 23時) (
レス) id: 71f45d75cb (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - Reyさん» 読んでくださりありがとうございます！感動して頂いて何よりです！スマホを割りそうになるくらいコメント嬉しいです！！ありがとうございます！！！ (2016年12月18日 0時) (レス) id: 9351c6d4fb (このIDを非表示/違反報告)
Rey - 感動しました泣泣最後の天月くんかっけー(;゜0゜) (2016年12月17日 23時) (レス) id: bf4d939079 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：林檎 | 作成日時：2016年11月5日 0時
