赤い月の悪魔と青い月の天使 (ページ4)

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青い雫ページ4

レフィ視点

ポタン……ポタン……
水の規則的に落ちる音が聞こえる。

真っ赤な月の部屋で私は目を覚ました。

赤い月の光でぼんやりと赤く染まっている部屋には、私一人だ。
気味が悪くなり、椅子から立ち上がると、
ズキリ
酷く頭痛がした。目眩も凄く、私はその場にしゃがみこむ。耳鳴りも凄く、キーンと言う音が頭に響いた。
あの夢を見た後はいつもこうだ。
真っ赤な月を見ると、嫌がおうにもさっきの真っ赤な夢を思い出してしまう。
悪夢に顔をしかめながらも、頭痛がある程度治まった私は部屋を出て歩き出す。

廊下には生気は感じられず、ここには私一人だと言うことを告げていた。

そうだ、レア、レアは何処だろうか。
さっきまでは、一緒に居た筈だ。

私はその階を歩き回る。見慣れた妹の姿を探す。だが、何処を探しても見つからなかった。
何処に行ったのだろう。あの子を一人にしては心配だ。
私は無意識に手を祈るのように組んでいた。

同じ様な無機質な廊下を巡り巡って私はエレベーターの前に辿り着く。
もしこの階に居たら……等と言う考えが過ったが、もう探すところは全部探した。もう、探しようもなかった。

私は後ろ袖を引かれながらもエレベーターに乗り込む。上に行くしかないボタンを押す。
すると、エレベーターはガコンと言う音を立てて上に上がる。
エレベーターが止まったその階は、私の居た階にそっくりだった。

私は何かに呼び寄せられるかのようにエレベーターを降り、ある部屋に入る。
その部屋には、顔にまで包帯を巻き付けた茶色いパーカーを着ている高身長の男性と、プラチナブロンドの長い髪を持っている少女が寄り添い合う様に座って眠っている姿があった。
二人の背後には、真っ青な大きな月。私の部屋と対照的に作られているようだった。

？「ん…ん……？」
私が二人の前の椅子に座ると、少女が目を覚ました。その少女の瞳は、真っ青な月の様だった。
？「……貴女、誰……？」
少女は私を見るなりそう言った。
『……わ、私は、レフィ・ヴァルエル。貴女は？』
ﾚｲ「私は、レイ…レイチェル・ガードナー。」
？「ん…？ふぁ…」
私達が自己紹介をしていると、包帯を巻いている男性が目を覚ました。
ﾚｲ「ザック、大丈夫？」
ザックと呼ばれた男性は眠そうに向かいに座っている私を見る。
ｻﾞｯｸ「おい、レイ。こいつ誰だ。」
寝起きで機嫌が悪いのか、男性は威圧を含んだ声で少女にそう問いかけた。