肆話 今 ページ5
「……ぼーっとしてどうしたの？」
加州に声を掛けられやっと今まで記憶に囚われていた事を自覚する。
一体どの位囚われていたのであろうか。私よりも長身の加州が私を覗き込むようにしてこちらを見ていた。
「ああ、少し考え事をしていてね」
「ふーん。あ、そういやさっき沖田君の話してなかった？」
苦笑した私だが、そんな私には興味を示さずに加州は沖田総司の話へと話題を変えた。
「ええ、沖田総司の愛刀である『貴方の』話をしていたのですよ」
私が返答に悩んでいると、こんのすけが代わりに答えてくれた。
……いや、この狐は本当に頭がよく回るな。本当に狐か？中に小さな人間でも入っているのではないか？
「へえ、じゃあ沖田君については知らないの？」
よっぽど沖田総司の事が好きなのか加州が畳み掛けて聞いてくる。
「あー、少し知ってるよ。本丸に来る前に名前位は聞いた事がある」
生まれ変わりだから誰よりも知ってますなんて正直に言える訳も無く、私はぎこちなく答えた。
「沖田君は凄く強かったんだよ」
そんな私に加州は今までとは違う声のトーンでそう答える。加州の表情はどこか悲しそうで、嬉しそうな、そんな表情をしていた。
「ま、わからない事があったら何でも俺に聞いてよ。この本丸については一番詳しいつもりだし」
頭の後ろに両手を持っていき、笑顔で答える目の前の青年は前世自分が持っていた刀とは思えない程に人間らしかった。
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皐月(プロフ) - 悠歌さん» 申し訳御座いません。有難う御座います。 (2020年2月2日 12時) (
レス) id: 8a85831124 (このIDを非表示/違反報告)
悠歌 - 北谷波切では無く、北谷菜切だと思います (2020年2月2日 11時) (レス) id: 35c863693b (このIDを非表示/違反報告)
皐月(プロフ) - みやび_ショコラさん» ありがとうございます！期待に答えられるよう頑張ります！ (2019年12月24日 12時) (レス) id: 8a85831124 (このIDを非表示/違反報告)
みやび_ショコラ(プロフ) - 初コメ失礼します！面白そうな話ですね！投稿応援してます (2019年12月23日 21時) (レス) id: 01ceb7e225 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：皐月 | 作成日時：2019年12月23日 19時
