思い出.其の壱 ページ25
――あれはいつだったっけな。俺がこの本丸の初期刀として戦い初めてから三ヶ月位だから、割と最近。
「清光！」
まだまだ刀剣男士が少ない頃だったから俺も一人部屋で爪紅を塗ってた時に、和泉守がいきなり俺の部屋に入ってきたんだ。
「どうしたの？」
出陣かな？と思ってたんだけど、和泉守の様子が何が違う。
「とうとう来たぜ……！」
妙に嬉しそうにそう言うから、きっと新撰組の誰かが顕現したって事は直ぐに解った。
「誰が？」
和泉守が喜びそうなのは堀川だけど、それなら俺の部屋に態々急いで来る必要は無い。
……じゃあ誰だろうか。
「安定だよ、大和守安定！」
その名前を聞いた瞬間、上手く言葉には表せられないんだけど、凄く心に大きな穴が空いた感覚がした。
「……へぇ、そう」
「なんだ？同じ沖田の刀だろ？もっと喜ぶと思ったんだけどな」
不思議そうに和泉守は言ったけど、俺からしたらなんで喜ぶと思ったのか、逆に不思議だった。
俺と大和守は全く面識は無い。
池田屋で俺が折れた後に沖田くんに買われたのが大和守。つまりは俺の代わりだ。
そんな関わりも無い刀が来た所で喜べない。
「まあ、いいや、あいつはお前に会いたがってるから、今から会いに行ってやれよ」
「は？」
思わず声が出てしまった。
なんで俺に？
正直言うのなら俺はなるべく会いたく無いんだけど……。この本丸の仲間になるなら……会わないと駄目か。
「今は多分主の部屋に居るだろうからさ」
やっぱり気が乗らないなあ、と思いながらも「わかった」と重い腰を上げた。
続く
お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←弐拾参話 開始
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 110人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
皐月(プロフ) - 悠歌さん» 申し訳御座いません。有難う御座います。 (2020年2月2日 12時) (
レス) id: 8a85831124 (このIDを非表示/違反報告)
悠歌 - 北谷波切では無く、北谷菜切だと思います (2020年2月2日 11時) (レス) id: 35c863693b (このIDを非表示/違反報告)
皐月(プロフ) - みやび_ショコラさん» ありがとうございます！期待に答えられるよう頑張ります！ (2019年12月24日 12時) (レス) id: 8a85831124 (このIDを非表示/違反報告)
みやび_ショコラ(プロフ) - 初コメ失礼します！面白そうな話ですね！投稿応援してます (2019年12月23日 21時) (レス) id: 01ceb7e225 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：皐月 | 作成日時：2019年12月23日 19時
