第53話 救世主 ページ6
円堂達は意気込むが、そう上手くはいくはずもない。
攻め入ろうとしてもパスは繋がらず、あっさりとボールを奪われてしまうのが現状だ。
「日本、かなりオーストラリアのプレイに翻弄されているぞ！今日の日本は何かボーっとしているようにも見えるが、一体どうしてしまったんだ⁈」
「どうしたらいいんですか⁈大ピンチですよぉ！」
「そうですねぇ、困りましたねぇ……」
実況の言葉も相まって、つくしは今にも泣き出しそうな勢いで監督の趙金雲に問いかける。
趙金雲は相変わらずの笑みを携えたまま腕を組み、思案をした。
するとそんな彼に歩み寄る人物が1人。
「あっ、あぁっ！貴方は？」
「雷門夏未です」
ふわりと微笑みを浮かべる美少女＿＿夏未。
しかし、彼女の名前は趙金雲も当然ながら知っているが、1つの疑問があった。
「でも、貴方は本戦からの合流では？」
「オーストラリアは情報規制型のチーム。日本では彼らの個性は知られていませんが、私は彼らの能力を把握しています。」
なんと！と趙金雲は驚いたように声を上げる。
夏未の登場により、戦局が変化しようとしていた。
一方夏未が来たことに気づいていないフィールドでは、未だ日本はサタン達に翻弄されていた。
しかし、ここで明日人はある事に気づく。
「鬼道さん！敵選手の手の動き！」
「嗚呼、ただの威嚇動作だと思っていたが……あれには何かありそうだ」
手が鍵だということに気付かれてしまった。
Aはあのまま行けば、自分は鳴りを潜めていても問題はないと思っていたが、そう簡単にはいかないかもしれない。
現に、一星は行動に移し始めた。
鬼道達に駆け寄った一星は告げる。
「でも、悪魔の力だとしたらなす術なしですよね」
「悪魔の力など存在しない！」
詰め寄った鬼道は一星の言葉を否定した。
自分も、動くべきか。そう思うAではあるが……
「おなか、すいたな……」
試合とも指名ともなんら関係のない、緊張感のない言葉がAの口からポツリと漏れ出した。
そして再びベンチでは、夏未が趙金雲に打開策を告げていた。
「監督、鬼道君達に目を閉じるように伝えてください」
「ぬぬっ、目を閉じるのですか⁈」
夏未の言葉に、驚きの声が上がる。
そんな状態でプレイなんて出来ない、と。
しかし夏未は自信を持った笑みで語る。
「出来ます。彼らなら。」
「ふーむ、良いでしょう」
どの道、このままでは状況は変わらない。
趙金雲はイレブンバンドを介して指示を送った。
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咲月(プロフ) - ネタギレまぐろさん» ネタギレまぐろさんコメントありがとうございます！大変励みになりました。ネタギレまぐろさんを惚れさせられた？なら何よりです( これからも君色をよろしくお願いします！ (2020年5月25日 23時) (
レス) id: 3882789cf9 (このIDを非表示/違反報告)
ネタギレまぐろ - 面白いです。頑張ってください、応援してます。（正直惚れましたw） (2020年5月25日 18時) (レス) id: 90a63fb1d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲月 | 作成日時：2020年5月22日 0時
