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「名前は花摘うらら 年齢は、今年で21歳、亡くなったのは16歳の時 高2の春終わりだった」
花摘、その苗字に既視感を……ああ部下のあの子か 珍しい苗字だけど被ることはあるんだ
そのまま相槌をするようにその思考は流しておく
「あいつは、もう死を覚悟していたからか、わがまま１つ言わないし誰にでも当たり障りなく接してたから、男女共に人気があった」
「けど、学校に来るのは多くて週に1回 勿論、学校行事も出れなくていつも寂しそうだった」
「そう言えば、ファッション雑誌も好きだっつてたかな 私はもう少しで死ぬから実際にファッションはできない代わりってずっと読んでた ……こんくらいかな」
少し、げんぴょんが涙ぐんでいるのが見える
本当に、好きだったんだな 大人になった今でも、その約束を守り続けているんだから
「ごめん ちょっと思い出したら、泣けてきたわ もう泣かないって決めたのに」
「別に、泣いても良いと思うよ 逆に定期的に思い出した方が彼女さんも嬉しいだろうし」
「そうだよね で、これが今日話さなきゃいけないと思ってたこと これでもう、隠し事はない」
目にたまる涙を無理やり拭き取ってそう言われても、私は罪悪感だけが拭き取られぬまま残る
「でも今は……、」
「……今は？」
「そういう概念をやめようって思ってる 今いない人に囚われるのも良くないかなって思ってる うららも成仏してくれてることを願ってるから……これから俺らしく生きようって思ってる」
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作者名：長月皐月 | 作成日時：2022年1月7日 9時
