★ つづき ページ4
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『チャンネル変えない?』
「どこも面白くなさそうだけどねこの時間は」
ローテーブルにトレイを置いて、私も座った。
お菓子の缶にクッキーがあったからそれも添え、オレンジジュース2杯目に入る。
無一郎がチャンネルを回してくれたけど、
案の定見たくなるようなものはなかった。
『無一郎、寝なくていいの?』
「それはAもでしょ?ただでさえカゼ引きやすいのにさ」
『う゛っ』
「僕は体力あるし1夜くらい明かしても大丈夫」
同棲してから何回もカゼで迷惑かけたっけ。
デートも何度かドタキャンしちゃったし。
『ですね…』
「まぁ熱出してもまた看病してあげるよ」
『申し訳ない……』
「だからこれ。着ておいて」
無一郎の学生時代のジャージが肩にかかった。
なんか懐かしい。
この頃はまだ付き合ってなかったんだよね。
鬱陶しいのか、無一郎が髪を1つに結んでる。
長くて細い指に、また見惚れてしまう私。
私の視線に気づいた無一郎が、こっちを見た。
「何?」
『あっ、いや…』
「見とれてくれてた?もしかして」
図星です、さすがよく分かってるね私のこと。
行き場がなくて目を泳がせ、テレビをガン見。全くツボじゃないけど笑ってみた。
「ねぇ、A」
流れていた笑い声が急に途切れた。
無一郎がテレビの電源を落としていた。
『な……っ!?』
後頭部に左腕を回され、優しく押し倒される。
毛の長いカーペットとジャージのお陰で、フローリングの冷たさは感じなかった。
やけに明るいLEDライトの真下だから、無一郎の顔が見えやすい。
少しずつ顔が近づいて、思わず目を閉じた。
初めてじゃないし、嫌じゃない。
だけど、待っても待っても来なかった。
『む、むいちろ……?』
そっと目を開けたら、目の前に無一郎の顔。
爪の幅1つもないかもしれない距離。
「っ、いい?」
『い、いいって……?』
何、と言おうとすると、口を塞がれた。
とろけるくらいに甘いキスで目眩がする。
もう1度目を閉じようとすると、
無一郎の顔が離れて視界に明るさが戻った。
「じゃ、今夜はここまで。ゲームでもする?」
『なっ……!!』
「何が良い?バトル系は勝負にならないし…」
この後めっちゃゲームした。
無一郎が強すぎて私の幕がなさすぎたけど。
*
「……やっぱり寝落ち」
無一郎が毛布を私に掛けてくれたのは、
私がすっかり眠ってからの事。
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Nami - 冨岡さんとの甘々な話お願いします。少々ピンクとか…/// (2022年11月28日 16時) (レス) id: 7f8b02d024 (このIDを非表示/違反報告)
さつむいこん(プロフ) - お酒さん» コメありがとうございます!!音柱様ぜひ書かせて頂きたいです!(ただし全年齢作品&作者自身未成年の為、あまり色濃くできないのでご了承を…)テスト前なので気長〜にお待ちいただけるとありがたいです(>.<) (2021年6月17日 19時) (レス) id: dc07c220d6 (このIDを非表示/違反報告)
お酒 - 宇髄さんが見たいです(^^)少しエ○く…とかってできますかね? (2021年6月17日 18時) (レス) id: 48240712ac (このIDを非表示/違反報告)
楪日織(プロフ) - 吹雪さん» わっ……かりました。初書きになるので、遅いですし温かい目で見守ってください。 (2021年5月17日 20時) (レス) id: fd467e3021 (このIDを非表示/違反報告)
楪日織(プロフ) - むこぴさん» ありがとうございます! たぶん、絶対の時は三部作にする予定はなかったから伏線もほぼほぼないんですけど……笑 泣いていただけたなら嬉しいです。 (2021年5月17日 20時) (レス) id: fd467e3021 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さつむいこん x他1人 | 作成日時:2021年3月11日 18時