☆ 空、描く【霞】 ページ22
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目標も、信念も、何もない。そこに込められた想いは――――――好き。
☆現パロ。一応、「桜、仕舞」の未来ストーリーのつもり。無一郎side
☆今回のジャンル:ソライロ
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自分で言うのもあれだけど、僕はうまくやってきた人間だと思う。
頭もいい。運動神経もいい。要領もいいし、学級委員だって任されている。
いわば、「スクールカースト上位の人間」だ。
だけど。
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「時透、おまえ前の確認テスト、学年8位だって? やっば」
「数学のテスト満点とか、こいつバケモンかよ」
「時透くん、確か理科も満点だったとか・・・・・・」
「顔面偏差値高いし、理数系に強いなんて、かっこいい!」
廊下を歩くと、男子には絡まれ、女子からは黄色い声が上がる。
いつも通り、マニュアル通りに、ニコッと微笑む。
「おっ、時透。次のテストも、派手に期待してるぞ!」
「宇随先生、ありがとうございます」
「もう派手派手だ!!」
派手派手ってなんだよ、とか思いつつもそう返答する。
朝起きて、登校して、話を聞き流して、勉強して、寝る。
・・・・・・僕の人生、そんなものだよ。
高校になったら、何か変わると思っていた。
中学生の時と、なんにも変わらない。
変哲もない日々。変わらない毎日。飽きてくる今日この頃。
別に現状に不満を持っているわけじゃない。
でも。
いつも通りの変わらない日常に、欠伸が出てくる。
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六時限目が終わって、僕は北校舎の美術室に向かっていた。
宇随先生に「画材を持ってきてくれ」と頼まれたのだ。
学級委員とか、本当に雑用係だな――――――とか思いつつ、階段を昇る。
遠くから、テニス部のパコーンと球を打つ音が聞こえてきた。
美術部。通称「幽霊部員の溜まり場」。
なんでも真面目に描いている人は少ないらしく、幽霊部員ばかりらしい。
ひとりだけ、コンクールで賞を頂いている女の子がいるとかいないとか。
美術室の前の廊下まで来たが、声も物音も何も聞こえなかった。
本当に幽霊部員ばかりなんだとわかる。
真面目に来てる子が可哀想だなと思いつつ、美術室に足を踏み入れた。
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Nami - 冨岡さんとの甘々な話お願いします。少々ピンクとか…/// (2022年11月28日 16時) (レス) id: 7f8b02d024 (このIDを非表示/違反報告)
さつむいこん(プロフ) - お酒さん» コメありがとうございます!!音柱様ぜひ書かせて頂きたいです!(ただし全年齢作品&作者自身未成年の為、あまり色濃くできないのでご了承を…)テスト前なので気長〜にお待ちいただけるとありがたいです(>.<) (2021年6月17日 19時) (レス) id: dc07c220d6 (このIDを非表示/違反報告)
お酒 - 宇髄さんが見たいです(^^)少しエ○く…とかってできますかね? (2021年6月17日 18時) (レス) id: 48240712ac (このIDを非表示/違反報告)
楪日織(プロフ) - 吹雪さん» わっ……かりました。初書きになるので、遅いですし温かい目で見守ってください。 (2021年5月17日 20時) (レス) id: fd467e3021 (このIDを非表示/違反報告)
楪日織(プロフ) - むこぴさん» ありがとうございます! たぶん、絶対の時は三部作にする予定はなかったから伏線もほぼほぼないんですけど……笑 泣いていただけたなら嬉しいです。 (2021年5月17日 20時) (レス) id: fd467e3021 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さつむいこん x他1人 | 作成日時:2021年3月11日 18時