貴方の3分を下さい。【鬼滅の刃×短編集】

★午前0時の王子様【雷】 ページ20

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#我妻善逸(初書きなので暖かい目で……)
#現パロ
#18歳くらい


※善ねず概念なし

※描いてるうちに甘くなくなった。
なんでだろう。どこで外れたんだろう。






【To Be Continued】


『あーもうクソっ!!』



目の前のハンドルを叩いて軽く叫ぶ。
深夜0時を目前に、1人ゲームに励む女子高生。

端から見ればただの不良娘だろう。


別に気にしていないけど。




『……もっかい、だ』




帰ったってべつに何もない。
真っ暗な部屋と、机に置かれた数枚のお札。

ここなら、1人でも寂しくない。


オンラインで誰かと繋がれる。
明るい光の中に、私も存在できる。

冷たい100円玉を挿入口に突っ込んだ。




【どちらのモードをプレイする？】


【ルーキーモード プロドライバーモード】




仕様上仕方ないとは言えども、
何度も出てくるこの字幕にイライラする。

これでも全国ランキング入りしてる身だ。
アカウントまで作ってるんだし改善しろよ。




【対戦モードを選んでね!】


【隣の人と対戦 オンラインで対戦】




隣に人がいないんだから右だろ。
毎度毎度出す意味ある？このテロップ。

ハンドルについた右ボタンを押す。
続いて真ん中のボタンを押しかけた、その時。


横のシートに誰かが乗ってきた。




「ねぇ、Aちゃんだよね？」


『…え、誰』


「えっ酷くない！？同クラなのにぃっ！？」


『……学校あんま行ってないし』




ずっとこんな所に入り浸り、
声をかけられれば抵抗もせずついていく。

体も心も、とっくの昔に捨てている。


それしか縋(すが)れるものがないんだ。
生きていくためなら易いこと。




「女の子なのにゲーム上手いねぇ〜！
もし良かったら俺と対戦でもしない？」


『………』




ハンドルをギュッと握り直した。
思わず彼から目を逸らす。

眩しすぎた。
パーカーにスキニー、キャップとスニーカー。
格好は大して変わらないのに、何か違うから。


きっと清らかさの違いだろうけど。




『……私とやっても楽しくないから。
風紀委員の優等生坊っちゃんは早く帰りな』


「……」




可愛げないな とか思ってるんでしょ。
べつにどうだっていい、いつものこと。

彼氏と長続きしたことがない私だ。
そんなの今更何も傷つかない。




チャリン




真横から、聞きなれた音がした。

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