貴方の3分を下さい。【鬼滅の刃×短編集】

★イルミネーション【霞】 ページ13

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#時透無一郎 #現パロ
#学生&付き合いたて設定

ラストはご想像にお任せします(・ωく)




『みてほら無一郎あっちあっち！！』


「分かったって頼むから走らないで」




先輩の卒業式も終わり、もうすぐ春。
私達は季節外れのスポットに来ていた。

イルミネーション。


3日前、カナヲがくれたチケットを無一郎に見せたら珍しくノってくれたのだ。ただし冷静に。

「へぇ、いいんじゃない」みたいな。




『無一郎は相変わらず大人だねぇ』


「少なくともAよりはね」




告白も私から。
デートに誘うのもいつも私から。
学校とかで挨拶するのも私から。

無一郎はホントに私が好きなんだろうか。
私よりカナヲや禰豆子の方が良かったのかな。
告白したから仕方なく…って感じなのかも。




『お腹すいたね〜』


「ごはん食べてないの？」


『部活長引いてさ、シャワーが精一杯で』




テニス部だから部活帰りは汗だくだ。
さすがの私も、空腹か汗ならシャワーを取る。
いくらなんでもデートだからね、これでも。




「あ、あそこに美味しそうな……」


『行くっ！！』


「……まだ何も言ってないんだけど」




首をこれでもかというほどの速度で回せば、視線の先には自動販売機。




『ねぇ…むいちろ……』


「いいよ、買えば？」




その言葉を待ってた！！！

カラフルなLEDライトがチカチカする中、地面に落ちた四角い光めがけて駆けていく私。あぁもう指先が赤くなってる。寒。




『あぁ悩む』




ココアとコーンスープとはちみつティー。
あ、このミルクティーでもいいな、どうしよ。




「…優柔不断だよね、ほんとに」




歩いてきた無一郎の指がボタンを押す。
お金が流れる音と、ジュースの缶が落ちる音。
２人分には見合わない長さで耳に届いた。




『え、むいちろ……？』


「手伝わないから全部飲みなよ。今日は特別」




私が迷ってた４つとコーヒーの缶。
無一郎の腕の中に収まっていた。

ふふ、また独り言が口に出てたかな。
それとも私が好きな４つ、覚えてたのかな。


何にしろ、素直に嬉しい。




『無一郎のもちょうだい！』


「え、飲めないでしょ」


『今度は飲めるかもしんないじゃん』




コーヒーは苦手。苦いから。
でも飲みたいなって欲がたまにうずく。
意を決して缶に口をつけた。




「…だから言ったじゃん」




無一郎がココアを口に含む。






「少しはマシ？」


『…ばか！！』

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