誰かさんの下位(サブクラス) (ページ12)

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いつの間にか
雨は止んでいた。

突然のお天気雨で干していた洗濯物を回収する為に、汗だくになるほど全力で走ってきたA。

やっとたどり着いた自宅の前には先客がいた。

大きいリュックを背負い、帽子を被った男。
そして、その男の肩には頭の部分に黄色い模様がある黒蛇が乗っていた。

そんな見るからに怪しい雰囲気のある男を見て、Aは驚きで目を丸くさせながらも声を掛けた。

A「__御国さん？ジェジェさん？」

そうAに名前を呼ばれた男は
笑みを浮かべた。

？←御国(国)「相変わらず元気そうでなによりだよ、綾」

A「はい！御国さんもお変わりないようですね」

国「もーそんなに急いでどうしたの？汗だくじゃないか」

A「あ〜…買い物帰りにお天気雨が降ってきて、そういえば家に洗濯物を干しっぱなしだったな～、と思いだしてダッシュしたんです」

まあ止んだみたいなのでその心配はなさそうですね、と
Aは苦笑気味に言いつつ、バックからタオルを取り出し額と首の汗を拭いた。この言葉に男、御国は確認するように空を見上げた後、怪訝な顔をしつつAを見た。

国「お天気雨…？オレ達がここまできた時は降ってなかったけど？」
A「えっ、そうなんですか？」

その時、御国の肩に乗っていた黒蛇が鎌首を持ち上げた。

黒蛇「……いつまで……立ち話を………………
している………？」

A「お待たせしてしまいすみませんジェジェさん、すぐ鍵開けますね！」

ぼそぼそと突然喋った黒蛇にAは全く驚きもせず、慣れた様に受け答えをしつつ自宅の扉の前へ向かい、荷物を一旦床に置き鞄から鍵を探す。その後ろで御国が自身の肩に乗っている黒蛇にちょっかいを出し始める。

国「せっかく久しぶりの再会なのに、水ささないでくれる〜？空気読んでよ、ジェ〜ジェ」

黒蛇←ジェジェ(ジェ)「………うるさい」

国「ぼそぼそ喋ってて聞こえなーいw」

A「御国さ〜ん、ジェジェさ〜ん、開けましたよ～！」

喧嘩(けんか)に発展しそうなギリギリのタイミングで何とか鍵を見つけ出し、開いた扉を背中でおさえながら床に置いていた荷物を両手で持ち直し、ご近所迷惑で通報されたくないのでAは彼らを急いで招き入れた。
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2020.2.5
2023.12.22→修正と一部加筆