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必要だった。少なくとも、太宰には愛が必要で在ったのだ。太宰が愛を拒絶する理由は、他でもなく馬鹿げた理由だった。
"失うことが怖い"
織田を失ったことは、太宰にとって深いトラウマを植え付けられたことと変わらなかった。自分に愛をくれた、大切な存在。彼は、簡単に太宰の前から消えたのだから。
彼が死ぬ瞬間を、目に焼き付けてしまった。いつか一緒に食べようと云っていた、兄特性の固い豆腐も、結局は食べられず終いだった。
大切にしていた坂口安吾でさえ、太宰の愛しているポートマフィアや兄、織田を裏切ったのだ。仕方がなかったことで在るのは解っているし、太宰自身は兄のように坂口を恨んでいる訳では無いのだが。
太宰の好きなもの、には、アップルパイや黒糖が含まれる。アップルパイは、織田が幹部補佐の仕事に追われ、食事もまともに取らない太宰に作ったもので在る。黒糖は、太宰の誕生日に兄が始めてくれたプレゼントで在った。
自分が彼等を信用すべきであることは解っていた。彼等が、自分のために必死になって話題を探してくれていることも理解していた。
しかし、其れでも太宰には解らなかった。自分が、此の世界で生きていなければいけない理由は何で在るのか。
如何して、しにたい自分は死ねないのに夢を持ち、明日を見続けた織田は死ななければならなかったのか。
そもそも、太宰がほいほいとシャオロンに着いてきたのは、
太宰がW国へと足を運んだのは、二年前のことで在った。兄が消え、幹部の座を与えられそうになった太宰で在ったが、兄の席を奪うようなことだけはしたくなかったが為に、首領の言葉を受けなかった。何時までも突然消えた兄の帰りを待ちながら、織田を間接的にでは在るが殺した犯人＿首領で在る森鷗外の隣に居続け、
織田が大切に育てていた孤児達。太宰も、一度彼等に出会ったことが在る。
織田が愛を込めて彼等を育てているのは、幼い太宰でさえ理解出来た。其れほどに、彼らは幸せそうで在ったのだ。
＿＿＿＿しかし、森によって手を回され、彼等は容易く殺されてしまう。
織田が育てていた孤児達の情報を森に渡した"第三者"を、太宰は追い求めていた。森が織田を排除したがった理由は、今になってやっと解る。しかし、其れでも。森が織田を殺すというのは、太宰には残酷過ぎる真実で在ったのだ。
ラッキーカラー
あずきいろ
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めい - 好きです！もっと評価されるべき！次の更新待ってます！ (2020年4月5日 21時) (
レス) id: f3d3ee67c0 (このIDを非表示/違反報告)
シラゆ - コメント失礼します(小声)表現の仕方や夢主の設定、とても心に刺さりました。勉強不足を感じさせられるほどの語彙力、尊敬します！文スト？を知らない私でも物語にのめり込めました！更新頑張ってください！コメント失礼しました。 (2020年3月31日 9時) (レス) id: dc5a42bdb9 (このIDを非表示/違反報告)
すりーぷ(プロフ) - 好きです……その場その場の背景？が見えて…なんと言うか……とっても綺麗で文ストの雰囲気等も確りとあって……続き楽しみに待ってます…!応援してます、頑張って下さい！(語彙力が無くて…) (2020年3月30日 19時) (レス) id: 6c2b3e4a08 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - 情景描写がとっても綺麗で、1話読んだら「あ、これ好きだな」って思いました！文ストの雰囲気を残しつつ独自の世界観もあって続きが楽しみです！！頑張ってください！応援してます！ (2020年3月28日 9時) (レス) id: c77cf16874 (このIDを非表示/違反報告)
暁月 - あ、好きです。 とっても読み易くて、なんというか…「わあ…！！」となるような感じの……はい。(これが語彙力がない人の見本です) 更新頑張ってください！応援してます。 (2020年3月27日 22時) (レス) id: b7a49d6e6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沙藤 | 作成日時：2020年3月27日 2時
