綺麗な華には棘がある[めめこじ]2 (ページ3)

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深澤サイドページ3

館さんから聞く限りゲイに嫌な思い出があるっ

ていうよりもゲイである自分が嫌って感じなの

かな？とりあえず話を聞くか、

「館さんの料理美味しいでしょ！館さんの料理

より美味しい料理なんて中々ないよ！！

俺は深澤辰也、ここのオーナーやってる。ふっ

かって呼んで！」

向井「はい、ホンマに美味しいです。

俺は向井康二っていいます。部屋貸してもらっ

てありがとうございます。ふっかさん。」

「ふっかでいいのに笑まぁいいや、館さんに俺

たちは綺麗だけど自分自身は汚れてるからって

言ったんでしょ？どういう意味？」

向井「それは…」

黙っちゃった。

どうしたもんだろうか、めめも康二のこと好き

だと思うって言ってあげれればいいんだろうけ

ど、こればっかりは本人同士の問題だから俺の

口から勝手に言う訳にもいかないからな…

そんなことを思ってたら喋りだした。

向井「…ごめんなさい、言いたくないです。め

めが皆さんにとって大切な仲間で俺なんかがそ

ばにいてええ人じゃないのは重々承知なんやけ

どそばにいたい…

そばにいたいからゲイもバレたくないし過去の

ことも言いたくない。ワガママですよね、」

最後はもう消えてしまうんじゃないかと思うく

らい細い声だった。

俺にできることは

「康二ってさ、めめのとこで家政婦する以外で

仕事するの？」

向井「？はい、流石に再就職は厳しそうなんで

アルバイトにしようって思うてますけど…」

「じゃあさ、康二も俺の店で働かない？めめが

料理すごく美味しかったって言ってたしさ！今

料理担当が館さんしかいないからもう一人くら

い雇おうかって悩んでたんだよね」

向井「いや、でも俺…」

「過去は過去、今は今でしょ！昔何があったか

は分からない。でも今はめめが好きなんでし

ょ？それでいいじゃん。働いてくうちに俺たち

に話したくなったら話せばいい、話したくなか

ったらずっと話さなくてもいいよ。

館さんこのままだと過労死しちゃう！困ってる

人助けると思ってお願い！！」

向井「俺なんかで良ければ…」

「本当！ありがとう、じゃあ店終わったらみん

なに言うから終わるまでまた寝てて！まだ顔色

悪いよ。俺は店に戻るから」

向井「分かりました。お言葉に甘えて、」

横になったのを見てから店に戻った。

これが俺にできる精一杯。

まぁ実際料理担当のこと困ってたしね笑