嘘が嫌いな君へ。【斉木楠雄のΨ難】

空気 ページ17

久しぶりって斉木さんは言うけど、全然久しぶりじゃないよ。


一日ぶりだよ。しかも今日会っちゃったからやっぱり久しぶりじゃないよ。


ってそんな細かいことは心の中に置いとくとして......





A「......雨、凄いですね」

空助「......そうだね」





二つの意味で運が悪いのか、雨がひどかった。


生憎私は傘を持っていなかった。ここで待っている斉木さんもおそらく同じところだろう。


とはいえ、


気まずい空気には変わらない......


やっぱりお礼？言わなきゃ。そう思って口にしたが





A「あのっ！」

空助「この前さ」





被る。さっきから何なんだろうこの空気。





A「......お先にどうぞ」

空助「ごめんね。この前のこと」

A「あ、ああ...」

空助「何も、君のこと知らないのに。知ったようなこと言って」

A「いえ。もう気にしてないです。私も今思えばあんなことで泣くの、おかしいなって思ったので」

空助「僕、無神経だからさ」





自覚はあるのか。





空助「よく分からないよね。人間って」

A「それはそうでしょう。自分のことですら分からないものです」

空助「そうだよね」




私たちはまだお互いのことを知らない。


知らないから知りたい。


私はそう思っているけど、


彼は


斉木さんはどう思ってくれているのだろうか。

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