刹那恋【S,S】

＊45＊ ページ45

ぽつりと呟いた言葉は寂しい空間にこだました





『僕がAの家庭事情知ってるのに、自分だけ隠してたらさ。

ほら、あの……彼氏って言えないかなって』





彼氏…


その単語単語に反応してしまう





「どこまで知ってるの…？」




『男と結婚した母親が男の子を生んだ後死別、別の男と再婚し女の子を生んだが、男好きの母親は見捨てられその影響で荒れ放題。挙げ句の果てに若い男を家に連れ込んでいる

現在その女の子は家の自室や兄の仕事場兼アトリエで寝泊まりしつつ学校に通っている』




誰にも言ったこと無いのに全て知られている…




『これくらいしか知らないな。』








いや、知りすぎている。


「……ストーカー？」


『そんなわけないよ笑

僕は教えてもらっただけ』







教えてもらった…？








口元を緩ませコップを口づける彼が


ちょっと怖くなった

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