episode 9-4 ページ14
「じゃあ、ちょっとお手々見せてよぉ」
相葉さんが唯の右手をとった。
話し合った訳ではないけど、相葉さんが針刺し、潤くんがそのアシスタント。俺は抑制係。
大野さんは薬液の入ったシリンジを持って少し後ろで待っている。
「アイちゃん、すぐ終わるからね。こっち見てよう」
体を固くしたまま、相葉さんを凝視してる唯の頭をクイッとこちらに向ける。
誰も声を出さない病室の中、モニターの無機質な電子音だけが聞こえる。
次に俺が唯の手に目を向けた時には、既に刺すのは終わっていて、慎重に外筒を進めているところで、すぐに相葉さんの手が止まり、潤くんがテープで固定した。
その間、唯はぎゅっと目を瞑っていたけど、特に泣き出すことはなかった。
「もう終わったからねぇ。いい子だったね？」
頭をよしよしってしてやると、目を開けた唯。
その目には、やっぱりたくさんの涙が溜まっていたけど、それには触れず、
「頑張ったね？
眠くなってきたら寝んねして良いからね？」
優しく声を掛けた。
程なくして眠りについた唯。
「ありがとう、大野さん。
マジで助かったわ。何が起きてんのか全然分かんなくて、パニック寸前だった」
って正直に言うと、
「あれはね。俺も初めて体験した時は、呆然としたもん」
って。
「何があったの？」
事情が飲み込めないまま、処置の手伝いをしてくれていた潤くんが口を開いた。
「俺も良くは分かんないけど、ポップアップとかっていう状態で、次から次に色んな人格が出て来てさ」
「その別人格、覚えてる範囲で教えて？」
大野さんが側にあった丸椅子に座りながら、訊いてきた。
「最初は…
あ、俺がここに戻ってきた時には既に解離してたと思う。視線が合った瞬間そう思ったから。多分、アイちゃんだったと思うけど…」
そこまで話した時、ドアがノックされて、翔さんが入ってきた。
鋭い翔さんは、大事な話をしていると悟ったのか、どうぞとでも言うように、長い腕をサッと前に出して先を促してくれた。
「既にアイちゃんに変わってたんだけど、特に何かを聞いたりすることもせずに、抱き寄せたんだ。いつもするように。
アイちゃんはホントによく出てくる人格で、割りともう慣れっこで…」
「慣れてるから、特に何をするでもなくいつも通りに接してた？」
俺が言葉に詰まると、上手く質問してくれて先を促す大野さん。
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虹(プロフ) - ともさん♪はじめまして！１番ひっそりしているこちらにコメントを頂けて、とっても嬉しいです。にのちゃんと仲間のキレッキレのお医者さんとしての姿と、甘々で主人公ちゃんを溺愛する姿を書きたくて(笑)赤ちゃんまで生まれてこの先にのちゃんはどうなることやら(^_^;) (2019年1月4日 17時) (
レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 虹さん初めまして。一気に拝読させて頂きました。一気に読みした事で…ちょっと頭の中でパニクってます。でも〜かずくんの偉大な愛が主人公ちゃんの幸せを呼び寄せてるって思って涙が止まりません！素敵な仲間にも恵まれて…心がホッコリしてます。 (2019年1月4日 17時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
虹(プロフ) - coorparooさん» coorparooさん、こんばんは。色々企んでますよ(笑)あっちのあの子たち、どうしてくれましょ？(^_-)考えるだけでニヤニヤしちゃいます。こちらは遂にベビーちゃんが生まれました。この先も頑張りますのでよろしくお願いします♪ (2018年11月4日 21時) (レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
虹(プロフ) - 雅☆和?さん» こんばんは！変わらずキュンキュンしてくれてて嬉しいです(^O^)喜び爆発のニノちゃんは出てきませんでしたが、こんなニノちゃんいかがでしたか？(笑)これからもよろしくです♪ (2018年11月4日 21時) (レス) id: d02e7023d3 (このIDを非表示/違反報告)
coorparoo(プロフ) - 更新＆お引越し開始、ありがとうございます。新しい家族の誕生も、あっち(？)の和と潤の成長も本当に楽しみにしています。 (2018年11月4日 21時) (レス) id: 252f82640a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：虹
| 作成日時：2018年11月4日 19時
