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56話 ページ7




「これだから全国一位は…」


流れを切るために取ったタイムアウトのときに水分を取りながるげっそりとした様子を隠さずにため息をつきながら文句を垂れる月島に田中が驚きの声をあげた。


「!?い、今月島なんて言った?」


「?だから全国一位は嫌だなって…」


「ぜ、全国一位!?」


「アイツらが!?」


「マジかよ…つーか月島知ってたのかよ!」


「はい。黒尾さんと木兎さんとの練習のときに知りました」


「そんときなんか有利になりそうなこと言ってたか?」


「これといって特には…あの六人でバレーしてたってことくらいしか聞いてませんし」


「…あ、俺あの六人組どっかで見たことあるかもしれません」


「ほんとか影山!」


「はい。たしか…あの胡桃ってのがスパイカーで美紀って人がエースで古見さんは…リベロ、だった気がします」


「へぇ〜、さっきから思ってたけどやっぱ古見さんレシーブうめぇんだな!」


「…たしかに今は上手いですけどアイツ俺が見たときは凄い下手でした」


「古見さんは全国行きのチームにいたリベロなんでしょ?下手なわけないだろうし、誰もが王様みたいになにもかも完璧ってわけじゃないんだよ」


「王様言うな。でも本当に下手だったんだよ。アイツがあげたボールを周りの奴らがカバーしてる試合が成り立ってて…なんつーか、バレー上手いヤツらの中に一人初心者が混ざってるみたいな感じだった。…でも、今は結構上手くなってる」


「…ふーん、まあ古見さんのことだから中学でバレーやめた後も練習してたんじゃないか?影山から見ても上手くなってんだろ?」


「まあ、中学のときよりかはな」


「ならそれでいいじゃん!古見さん達が全国一位ならこの試合勝てば俺らが実質全国一位ってことに変わりはないからな!」


「日向の言う通り、相手がどんな奴だろうと勝てば関係ない。烏野ー、ファイッ!!」


「「「「「「「「オーッ!!」」」」」」」」


相手をしている自分達のマネージャーについて思うところはあるものの、倒さなければならない敵に変わりはないので改めて気合いを入れ直した。

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作者名: | 作成日時:2021年12月5日 18時

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