第三十八話 逃げられない ページ8
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夕食時、いつもは本丸内のどこかしらで誰かを見かけるが今日は静まり返ったように人気がない。
縁側を走る短刀達の声も、中庭で素振りをする者もいない。
不思議に思い…本丸中を探し回る。
そして、一番大きな部屋の中から話し声がボソボソ聞こえた。
こんな所にいたのか…
でも……なんで全員が？
襖に手をかけ、入ろうとした時。
「それじゃぁ、主が犯罪者ってことなのか…？」
「それも、死刑囚だなんて…」
「どういうこと…？」
そう聞こえた。
襖にかけていた手が震え、襖から離れる。
いつか、いつか言わなきゃって思ってたことが。
こんなにも早く皆の耳に入ってしまうなんて。
幻滅される。
やっと築き上げてきたものが、崩れてしまう。
「死刑囚」だから…もう──、信じてもらえない。
「…ッ」
こぼれ落ちた涙が、床にパタリと落ちる。
私はその場を足早に離れ、走りながら考えた。
「どうすればいい？どうしたらいいの…？」
考えても考えても答えは出ない。
ただ、今は逃げたい。
もう逃げてしまいたい。そう思った。
いつの間にか本丸の門の外にいて。
ここから逃げてしまおう。そんな無責任な答えをこじつけて、足を１歩踏み出した。
…でも、
「なんでっ…！なんで！」
見えない壁が私を阻む。
どこにも逃げられないんだ。
私は、新しい人生をここで歩んでいこうと決めたのに…
「死刑囚」という言葉から肩書きから、逃げることは一生できないんだ。
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やま(プロフ) - えーぽん☆さん» わあああああああ＞＜;！！！すみません！！返信遅れてしまってごめんなさい！！ありがとうございます！更新頑張りますので、引き続き応援宜しくお願いします！ (2017年9月10日 3時) (
レス) id: beda6b252c (このIDを非表示/違反報告)
えーぽん☆(プロフ) - とてもおもしろいです！！応援しています！更新がんばってください^ ^ (2017年7月18日 20時) (レス) id: 90d6d315b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やま | 作成日時：2017年7月17日 19時
