【歌い手】男の人が怖いけど姉さんは仲が良い【96猫】 (ページ32)

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三十話ページ32

96猫《大丈夫か？》

涙がおさまりかけてから、姉さんが聞いてくる。

わしは首を縦に振る。

96猫《今は、もう聞こえへん？》

今は、完全にシャットダウンされているからなぁ...

わしはまた、首を縦に振る。

少しでも、耳が治ればいいのに。

なんでわしだけ毎回不運なんだろう。

皆の顔を見ると、姉さんとまふまふさんは泣いていた。

恐らく、わしの気持ちを考えて感情移入したんだろう。

優しいなぁ...

もう、本当に泣きそうなんだけど。

だけど、そらるさんだけは違った。

そらるさんだけは、僕と目があった瞬間剃らされた。

嫌われちゃったかな。

でも、顔を赤くしたんだよね。

わしのこと、気があったりして。

ま、ないだろうけど。

あったとしても、繋がられることはないだろう。

だから、わしはこの思いを自分だけが知っているものにするよ。

わしには"恋"なんて必要ないのだから。

わしが"恋"したら、わしが人に関わったら、駄目だから。

傷つけてしまうから。

気がつかなかった。

わしがそんなことを考えながら、俯きながら、自分を嘲笑っていたのを見られていたのを。

音が聞こえないから、余計に。

急に、肩が叩かれる。

その時に、見られてたって気がついたんだ。

96猫《ふざけんといて、貯めるんやないっていったやろ？》

文字では冷静なのに...

顔は、真っ赤っかで怒っている...