【歌い手】男の人が怖いけど姉さんは仲が良い【96猫】 (ページ27)

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二十五話ページ27

ただいま

心の中で、そう呟く。

一応、言うからね！？

ずっとソファーに座ってみんなを見ていると、姉さんが動き出す。

何処に行くの？

そう思いながら、後を着いていこうと席を立つ。

すると、姉さんはわしの手をとってくれる。

行ってきます

また、心のなかで呟く。

AtR はお留守番らしい。

姉さんと一緒にいると安心する。

目の前に急に人が現れる。

さっきの人たち。

つまり、わしの...私の、同級生。

怖い。

なにか言ってる。

分からない。

分からないことが、怖い。

その連鎖。

姉さんも、何か言い返している。

ふと、相手側を見ると一人の男が姉さんに殴りかかった。

姉さんっ！？

姉さんは気がついていないようだった。

助けなきゃっ！

そう思った刹那、頬に痛みが走った。

わしが殴られた。

そう気がつくのに時間はあまり要らなかった。

また、別の奴等が蹴ってくる。

視界がぐらぐらと揺らされている気分になる。

気持ち悪い。

吐きけがする｡

姉さんを見ると、姉さんは驚いて、声も出ないようだった。

まぁ、出てたとしても聞こえないけど。

ごめんね？

僕のために立ち向かって、僕のせいで危険な目に会って｡

絶対怖かったよね｡

ごめん

姉さん...

目の前に相手の拳がうつる。

あー、気絶するかな。

いや、姉さんに迷惑かな。

"姉さん"に、嫌われたくはないな。

どうしてだろう、"姉さん"という言葉と"負の感情"という言葉が合わさると、自分が自分じゃなくなってしまうみたい。

『あ"...』

そろそろあの子(・・・)が出て来ちゃうかな。

姉さんを任せたよ、○○。

僕(・)は意識を手放した。