【歌い手】男の人が怖いけど姉さんは仲が良い【96猫】 (ページ20)

今日:5 hit、昨日:22 hit、合計:32,866 hit

十八話ページ20

NOside

医者「ヤバイぞっはやくっ！」

看護師「わかっていますっ！」

看護師「先生っ心拍数が...」

医者「低下しているっ！？」

看護師「急ぎましょうっ！」

看護師「ご家族からの了承、頂きましたっ！」

医者「よし、始めるぞ...」

You side

目が覚めた。

周りを見ると、女の子がいる。

口を開き、問おうとする。

「誰？」と...

しかし、上手く声がでない。

気がつけば少女は起きていて此方を見ている。

少女は驚いたような顔をして、吃驚しすぎて、なのか声が出ていない。

その時、ようやく自分の置かれた位置に気づいた。

自分は、耳が聞こえなくなっていた。

それだけしか、違和感がなかった。

否、この事に吃驚しすぎて、気がついていなかった。

自分のことを一切覚えていないことを。

96猫side

気がついたら、Aが起きていた。

吃驚して、でも気がついたら自分でも分かるような間抜けな顔で、

「大丈夫なんっ？」

と聞いていた。

でも、何も反応を示さない。

Aは、不思議そうな顔をして首を傾げていた。

少しして、正気に戻りナースコースを押す。

医者に暫くして、聞いたこと。

医者「Aさんは記憶がありません。また、耳が聞こえていません」

それは、今のわし...私には衝撃過ぎた。

「嫌や...ごめん、ごめん...ごめんね、ごめん...」

わしのせいだ、守るって言ったのに...っ！

ずっと、ずっと、守るって、言ったのに！

あの笑顔を、声を、守るって言ったのに！

わしなんか嘘つきだ、嘘をついて、皆に嫌われるんだ！

医者「ちょ、大丈夫ですか？」

あ...

「大丈夫、です...」

話を聞くところによると、今のところ人と会うと怯えるらしい。

言葉は、筆談なのだとか。

そして、今日からもうわしの家で住める、らしい。

Aの体は一回起きてから、二回目起きるまでに直っていたらしい。

らしいと言うのが多いのは、わしには何も分からないから。

看護師「此方です」

Aの待っている部屋へ案内される。

ごめんな、A...

そして、今日からよろしく、A。