【歌い手】男の人が怖いけど姉さんは仲が良い【96猫】 (ページ16)

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十四話ページ16

『なら...』

顔をだそう。

と言いきらぬ内に、ありがとう！と言いながら手をブンブンと振られる。

あ～あ、正直心配で仕方がない。

皆の前で喋れるかな？

皆に幻滅されないかな？

嫌われないかな？

アンチがわかないかな？

怖い、怖い、怖い...

96猫「...！...っっ！！？？Aっっ！！？？大丈夫！？」

『あっ...』

口のなかで乾ききった声が出る。

96猫「大丈夫やからな？わしがいるからな？」

そうだ、大丈夫、大丈夫、姉さんがいる、独りじゃない。

そうじぶんに言い聞かせると、だいぶ楽になる。

『ありがとう』

姉さんに向かって、微笑む。

96猫「あ、始まる！行ってくるわ！」

笑顔で対応してくれる姉さん。

わしが出るのはもう少しあと。

それまでは、ライブを見て(・・)楽しもう。

そして、そのあとは歌って(・・・)楽しもう。

そう、心に告げた。

96猫「それでは！スペシャルゲストの発表～！イエーイ！！！」

気がついたら自分の出る幕。

姉さんはとても楽しそうだ。

わしも、いつか自分の思いのままに楽しめるんかな？

それなら、それまで地道に頑張ろう。

96猫「スペシャルゲストはー？この方っ！！」

姉さんがアイコンタクトをしてきたので、ステージ上に上がる。

「えっ、誰？」

「知らない」

「96ちゃんに似てない？」

「96ちゃんの家族？」

そんな声が、響き渡っている。

思っていたより、人が多い。

『あ、あ～...はい、こんにちは！』

声が出るか確認してから話始める。

『46猫です！』

すると会場はザワッとする。

「男の子だったの？」

「カッコ可愛い！」

「ヤバイ、尊い」

「スタイルいい！」

「身長...」←

ん！？

身長！？

『何処ですか、身長のこと言ったのww』

酷いな。

でも、結構楽しいな、なんて。

柄にもないな。

96猫「ちょ、乗っとんなや！wwwww」

あ...

『忘れてましたww』

会場からドッと笑いが混み上がる。

96猫「ひどっ！www」

あ、関係も言わないとじゃん。

『言います？』

遠慮しがちに聞く。

こう言うのがあるから、血縁者に思われにくいんだろうな～。

96猫「うん。」

え、わしからいうの？

え～...

96猫「何その僕なの？オーラwwww」

え、嘘、そんなの出てた？w

『知らないな～？』

目を剃らすと、視界の端に「こらー！w」と言っている姉さんが写る。