183人 ページ33
『…いえ、なんでもないです』
咄嗟に本を隠しながらAは皆の輪へと入る。
｢…ああ、ここに居たの｣
優しい声色に皆はなんの警戒もなく目を向ける。
Aは本を隠すのに夢中で上手く顔が挙げられていないものの、下半身だけでも見る。
足元は血に汚れている。
…まぁ、A含め皆そうなのだが。
だんだん視界を上へと上げていく。
手には鎌が握られている。
もしもあれで切りつけられたら…そう考えると一瞬で血の気が引いてしまう。
直ぐにそんな考えをなくそうと首を振り、改めて顔を上げる。
首からは笛が下げられており、彼が先生なのかと一瞬で理解してしまった。
｢…違う、か。
お前ら、早く帰れよ〜もう時間だからな〜｣
『…っ、待って』
思わず腕を引き、止めてしまった。
だって、その人は…
『らっだぁ師匠？』
Aの言葉にその先生…猿山はAへと朧気な瞳を向けた。
｢らっだぁ師匠？俺は師匠じゃなくて先生だぞ？｣
機械音の混じった声。
Aは驚いたように手を離してしまった。
…そうか、彼がらっだぁだと言わないのであれば、ここは別世界と考えるのが妥当だろうか。
｢…ぁ、お前…見たことあると思ったら、Aじゃないか｣
ふと告げられた言葉にAは『ぇ、』と声を漏らした。
顔を上げると、猿山は口元を歪め嫌な笑みを浮かべた。
ht｢っ、Aっ！｣
体を固め動けないAを守るようにひとらんらんは後ろへと腕を引いた。
その瞬間、先程までAのいた所には猿山の鎌が空を切っていた。
｢あー？邪魔はすんなよ〜、廊下に立たせるぞー？｣
so｢うっわ、体罰やないですか｣
そーはふざけ半分そう言いながら逃げ出す。
Aはまともに走れる状態ではなく、ひとらんらんは慌てておぶると走り出した。
ht｢Aっ、しっかりして！！｣
その声さえも通っていないのか、Aは口を手で押え震えている。
｢まてぇ〜！｣
後ろからおってくる猿山。
猿山の異様な殺気は辺りを満たし、頭が狂いそうだ。
｢っ、居った！こっちや！｣
高い声に｢ほんまか！今行くわ！｣という声が曲がり角の先から聞こえてくる。
Aが重たい顔を上げ、最後に視界に入れたのは揺れる金髪と緑で身をおおった人物、その後ろの多数の人。
…そして、揺れた金髪は決心した真っ直ぐな水色を猿山へと向け、手に持った火薬の匂いのする武器を視線と共に猿山を貫いたところまでだった。
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ライムてにゃん(プロフ) - マリスちゃんやっぱりキャラデザとかも好きでしたが性格も好きです泣更新頑張ってください！ (2021年6月17日 22時) (
レス) id: 0453d1bfe4 (このIDを非表示/違反報告)
すごもり - できました！端末の問題だったかもしれません。申し訳ございませんでした… (2021年6月12日 23時) (レス) id: 5cac051a93 (このIDを非表示/違反報告)
すごもり - 名前変換、できません… (2021年6月12日 14時) (レス) id: 5cac051a93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲々姫 | 作成日時：2021年6月12日 12時
