177人 ページ27
食事が終わったあと、A以外の皆はスマホをポケットに突っ込み、廊下へと集まった。
集まったのはTつぐ、KC、ケイタ、まっちゃん、てんてん、ズシシ。
そして、ぴくと、ひとらんらん、A、最後にeoheohである。
途中まで着いてくるロックも既に集合している。
kc｢んじゃ、行こうか…よし、初めは音楽室！｣
KCは楽しそうに口角を上げながらそう言った。
rk｢音楽室？いいよ｣
ロックはKCについて歩き出す。
te｢音楽室だ〜｣
とてとてと音楽室に飛び込むてんてん。
rk｢てんてん、転けないでよ｣
te｢平気平気〜｣
皆が部屋に入った瞬間。
ポーン、と音が鳴った。
kc｢っ、なに！？｣
皆の目線がピアノへと向けられる。
何故かいつでも弾けるように開かれている蓋。
『…動物みたいですね
例えば、ネズミとかそんな感じの。』
Aはホコリを被る鍵盤を指さした。
その一部には、綺麗に小さな足跡がついている。
tt｢なぁんだ、ネズミかぁ｣
顔を真っ青にさせながら強がるTつぐ。
月光が窓から差し込む。
雨だと言うのにこれまでに綺麗に反射するのか、というほどの光は皆の頬に注がれ表情が見やすい。
ma｢うわっ！
びっくりした…虫かよ｣
大声を出したまっちゃんに皆は驚いたが、ただの虫だったらしい。
皆は呆れながら｢次でも行くか？｣というeoheohの言葉につられ部屋を出ていく。
ズシシは音楽室を出る前、一瞬足を止め振り返った。
ke｢…ズシシ？｣
zs｢…いや、なんでもない｣
ズシシは音楽室に背を向け歩き出す。
ズシシ以外は気が付かなかった。
今日音楽があり、勿論ピアノも使った。
なぜ、小動物の足跡が見えるほどまでにホコリが着いているのか。
なぜ、虫などがいるのだろうか。
ここの学校はつい1、2年程前に出来上がったばかり。
だからこそ人気があるのだが、そんな学校が隙間などそう多くある訳ではなく、そう易々と虫が入ってくるわけが無い。
そんなことを考えると、心做しかいつも見ているはずの校舎は薄汚れているようにも見えてしまう。
ホコリが月光に反射し宙を舞うものは光を放つ。
そんなホコリを追うかのように動く油の偽物の瞳には、誰一人として気が付かなかった。
｢…〜もまっかっか〜｣
いつの間にか聞こえる少女の歌声。
Aたちの気配の消えた音楽室付近には、その声を聞いているものは居ないらしい。
少女はクスクス、と笑ったあと赤いワンピースを靡かせながら歩き出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 179人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ライムてにゃん(プロフ) - マリスちゃんやっぱりキャラデザとかも好きでしたが性格も好きです泣更新頑張ってください！ (2021年6月17日 22時) (
レス) id: 0453d1bfe4 (このIDを非表示/違反報告)
すごもり - できました！端末の問題だったかもしれません。申し訳ございませんでした… (2021年6月12日 23時) (レス) id: 5cac051a93 (このIDを非表示/違反報告)
すごもり - 名前変換、できません… (2021年6月12日 14時) (レス) id: 5cac051a93 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：咲々姫 | 作成日時：2021年6月12日 12時
