7人 ページ7
Aの細い腰に腕を回し嬉しそうに声を漏らす彼にAは腕を回した。
「A姉さんと話せへんくて死にそうやったわ！」
『こら、貴方のパーティーなんですから、いつお客様がいらっしゃるか分からないのよ？』
「...分かりました」
少し不満なのか、口を尖らせるその姿を見てAはため息をついた。
『ですが、久しぶりの貴方の素は可愛かったですよ』
「辞めてくださいよ！」
一瞬で態度が変わる彼をAは愛しそうな瞳で見る。
『...只今戻りました、ゾム』
zm「はい！お帰りなさいませ、御姉様」
明るい笑顔のゾムの頭を撫でるAにゾムは目を細めた。
『さて、お父様とお母様に挨拶をしに行くから離してもらえるかしら？』
zm「うぅ...御姉様と一緒がええわ...」
Aはしゅん、と下がる尻尾が見えたような錯覚に陥る。
『ゾム。後で、一緒に食事をとりましょう？』
Aがそう言うとゾムは目を輝かせ、「分かった！約束やで！」と何処かへと走っていってしまった。
sn「ゾム、お嬢様のこと好きやもんな」
そう言い苦笑したしんぺい神に『貴方もスイッチを切り替えなさいね』と告げたA。
家の中だからと言って自由に出来るわけではない。
それこそ、先程のゾムの口調は平民たちが使っているとして両親にバレてしまえば怒られることは間違いないだろう。
手の甲で数度ノックをして返事を聞き次第部屋に入れば、父と目が合う。
「嗚呼...戻ったのか」
『ええ。只今帰りました』
腰を落とし礼をするAを見て父は立ち上がった。
「遅れたな？」
『...申し訳ございません』
「なんだ、その間は」
睨み付けられているのに気がつき首筋を冷や汗が伝う。
「まぁいい。王子とクラスが同じなのだとか」
『ええ、そうでございます』
「近づいて損はないだろう」
その言葉は友達になれ、と言っているようなもの。
それではただの八方美人ではないか。
Aの口からはそんな言葉は発することなどできないのだが、脳内にそんなことが過る。
「そうだ。フューラー家のご令息も来てくれるらしい。
態度を改めろよ」
『勿論でございます。仕来たりに添い、行動いたします』
父は満足したように部屋を出るよう促す。
それを無視してAは質問をした。
『申し訳ございませんが、お母様は...？』
「良い。下がれ」
鋭い父の言葉はAの行動を止めさせる。
『...わかりました。失礼致しました』
部屋を出るAの胸は嫌に高鳴っていた。
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ぽっぷこーん(プロフ) - 神作ありがとうございます。29話、やっぱ、置きとったんかの所起きるですね (2021年10月12日 19時) (
レス) @page29 id: 23b3a74ded (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 初コメ失礼します！私もその曲好きです！最近知ったのですがこういう悪役令嬢の話をよく読んでるので他の曲より歌詞がグッときますよね！これからも頑張ってください！ (2021年4月10日 22時) (レス) id: 409dd9da63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲々姫 | 作成日時：2021年2月14日 0時
