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数日間来ていなかったからか、普段より感じる視線に内心悪態をつく。
...いや、ハンカチの件もあるのだろうが。
「トラゲーディエ様」
名を呼ばれそちらを見るとキラキラとした目でAを見上げる貴族。
これは誰だ、と脳で記憶のフォルダを探しだす。
そして漸く思い出したのは"マリス･オルテンシア"という名前。
『マリス様、何の用でございますか？』
「
はじめての友人の申請に思わず固まるA。
それなりの利益がないとグリードは許してくれないだろう。
...オルテンシア家は、確か外交に強かったはず。
外交には余り赴かないトラゲーディエ家には良いのではないか。
そんな言い訳を即座に脳にメモし、『此方こそ、お願いしたいです』とマリスに返した。
マリスは家紋に合う、紫陽花のような薄紫の瞳をキラキラと輝かせた。
『マリス様は確か弟と同じでしたよね？』
「ええ、ゾム様とは同じクラスです」
嬉しそうに笑ったマリスにAは察して微笑んでしまう。
「...ぁっ、申し訳ございません、先生に呼ばれているのでしたわ！」
ご機嫌よう、と軽く頭を下げ昇降口へと走っていくマリスを見てしんぺい神は「元気ですね」と微笑んだ。
「A先輩！！」
今日は良く名前を呼ばれる日だ。
それより、聞き覚えのある声に少ない呼び方でAは素早く振り向いた。
『皆々様、お久しぶりですね』
kin「お久しぶりです！」
きんときは元気にそう返す。
きんときの横では主人であるBroooockが笑みを浮かべ「久しぶりです〜」と抜けた柔らかい声を出した。
『何故此方にいらっしゃるのですか？
隣の高校ではありませんでしたっけ？』
shr「それは後に説明させていただきます」
Aは不思議そうにしながらもシャークんに頷いた。
スマイルはシャークんを肘でつつき、「そろそろ時間」と時計を指差し催促する。
シャークんは一度黙ったが、直ぐに頷いた。
kr「A先輩も、また放課後会いましょう」
きりやんはそういうと主人であるNakamuを引き昇降口へ行く。
sn「早く行きましょう。俺たちもギリギリかもしれませんし」
『そうですね。行きましょう』
Aは知らなかった。
時間はまだあることを。
そして、スマイルが見せた時計に反射し写った"敵と思わしき何者か"をNakamuたち一同が睨み付けていたことを。
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ぽっぷこーん(プロフ) - 神作ありがとうございます。29話、やっぱ、置きとったんかの所起きるですね (2021年10月12日 19時) (
レス) @page29 id: 23b3a74ded (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 初コメ失礼します！私もその曲好きです！最近知ったのですがこういう悪役令嬢の話をよく読んでるので他の曲より歌詞がグッときますよね！これからも頑張ってください！ (2021年4月10日 22時) (レス) id: 409dd9da63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲々姫 | 作成日時：2021年2月14日 0時
