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今日は彼女がいない。
話は何も聞いていないが、建前上婚約者であるグルッペンは先生に話があると言われそれに着いていった。
向かった先は職員室。
「グルッペン様。
本日、A様がいらっしゃらないそうなのですが、此方のプリントを渡していただいても宜しいですか？」
プリントに目を落とす。
何故自分が。
グルッペンはそんな不満を心の中でぼやきながら受け取り教室へと向かった。
その途中。
声をかけられ目線をずらせば、花の香りと共に彼女がやって来た。
gr「ユウ」
「グルッペン、お久しぶりです。
...今日は、居ないのですか？」
グルッペンの周りをキョロキョロと見回したユウ。
何のことだ、と一度思考を巡らしたグルッペンだったが、直ぐにAのことを思い出す。
いつもいる、というほどではないと思うのだが。
gr「ああ、アイツは休みのようでな」
「そうなんですね。風邪でしょうか」
心配そうな表情を浮かべたユウ。
Aに汚い、等と言われたというのに優しい子だ。
グルッペンはそう思いながらユウの頭に優しく手を回し撫でる。
「...へ、？」
完全に無意識だったグルッペンはハッとし手を離す。
そんなグルッペンの目に入ったのは、顔を真っ赤にさせ照れるユウの姿。
gr「...かわええ」
ボソ、と呟いてしまった。
グルッペンは遅くも言葉を飲み込む。
幸運にもユウには聞こえていなかったようで、「なんでした？」と未だ赤い顔をあげた。
gr「嫌、何でもない。ユウは何故ここにいるんだ？」
「あ、ええと、パパ...じゃなかった、お父様が私を呼んでいると聞きまして。」
gr「ん？本当か？それはすまない」
「いえいえ、構いませんよ！」
向日葵のような明るく元気な表情に影が射す。
まるで、この時間を名残惜しいように。
グルッペンはその表情に体が固まる。
そんな顔をされては、煽っているようなものではないか。
というのも、グルッペンは彼女に恋というものをしている。
許嫁というものを持ちながら。
しかしそれはグルッペンの意思ではない。
自身の家系より上位の貴族から頼まれたものだから受け入れただけ。
彼女に恋愛なんてものを持っていない。
今すぐ婚約破棄してユウと結婚してしまいたいほどにはグルッペンはユウに好意を持っていた。
gr「...ん？ユウ、その痣...」
グルッペンが制服から覗く痣にもをつけると、ユウはハッとして作った笑みを浮かべて走っていってしまった。
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ぽっぷこーん(プロフ) - 神作ありがとうございます。29話、やっぱ、置きとったんかの所起きるですね (2021年10月12日 19時) (
レス) @page29 id: 23b3a74ded (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 初コメ失礼します！私もその曲好きです！最近知ったのですがこういう悪役令嬢の話をよく読んでるので他の曲より歌詞がグッときますよね！これからも頑張ってください！ (2021年4月10日 22時) (レス) id: 409dd9da63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲々姫 | 作成日時：2021年2月14日 0時
