23人 ページ23
にこにこと笑いながら、「名前は？」と再び聞いてくる。
Aは心中で怯えながらも顔をあげた。
『...トラゲーディエ･Aです』
なぜ自己紹介をしようなどと言うのか。
誘拐犯としては名前を隠すのが普通なのではないのか。
いや、先程目的と言っていた筈だ。
男の顔を窺うと頷き、後からやって来た男が口を開いた。
「俺はシャオロンや。」
シャオロンはもう一人の男へと目を移す。
もう一人の男は呆れたようにため息をつきながらも自己紹介を始めた。
「ロボロや。」
ペラ、と雑面をあげたロボロの目とAの目が合う。
無言になり、シャオロンは「何やっとんねん」とロボロの頭を叩いた。
rb「なんやねん」
sho「見つめ合っとらんと説明しろや」
面倒くさそうに睨み付けたシャオロン。
ロボロは「分かったわ」と資料を取り出した。
rb「これ、とあるとこにある裏社会のもんなんやけど」
裏社会、と言われ想像もつかずAは顔をしかめた。
一度諦め資料に目を通す。
Aの暗殺を企む話が書き出されている。
期限は四日後までと書かれている。
受諾日は結構前だ。
何故こんなにも時間を空けているのか。
...というか、何故この人たちが持っているのか。
訝しげにAが二人を見上げると、二人は慌てて否定する。
sho「俺らがAを殺そうとしとるわけやないで！」
『なら、何故こんなもの...』
rb「俺が調べあげただけや」
ロボロの低い声にAは口を閉じた。
特に興味のないからか、冷たい。
まぁ、優しくされてもAは困ってしまうが。
sho「まぁ、友人に頼まれてAを守るよう言われただけや。
ずっと見とったが、最近Aの周りに怪しい動きがある。悪いんやけど、お嬢さんには無事を確認しときたいからこうして誘拐したっちゅうわけやな」
Aはその言葉に手を強く握る。
それこそ、爪が皮膚をえぐり血が出るほどに。
rb「は、あんさん...」
『やめてください。』
睨み付けたAに二人は動きを止める。
命を守る行為に対して"止めろ"と言われるとは思っていなかったからだ。
『やめてください。死んだのなら所詮私はその程度だったということ。
...今、大事な時期なんです。やめてください。』
学校で間誓いをされているA。
この大切な時期に休むなど、逃げた、と考えられるに決まっている。
それは父親が許すとは思えないのだ。
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ぽっぷこーん(プロフ) - 神作ありがとうございます。29話、やっぱ、置きとったんかの所起きるですね (2021年10月12日 19時) (
レス) @page29 id: 23b3a74ded (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 初コメ失礼します！私もその曲好きです！最近知ったのですがこういう悪役令嬢の話をよく読んでるので他の曲より歌詞がグッときますよね！これからも頑張ってください！ (2021年4月10日 22時) (レス) id: 409dd9da63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲々姫 | 作成日時：2021年2月14日 0時
