四十六日目 ページ46
「え、待って？コンちゃん幽霊見えるの？」
「うん、見えるよ」
再確認してきたレウクラウドに頷いたコンタミ。
緑色やばどきょーの息を飲む音が聞こえる。
『さっきから隣の方に話されてるの、面倒くさいって感じにたまに横見てましたし、そうですよね』
「凄い観察力だね」
そう笑ったコンタミにAは黙りこんだ。
『私は例外として、コネシマといいロボロといい...
何故こんなにも意思が強い人が多いのですか』
ため息をつくAにコンタミは「そこの二人も見えるの？」と問いかける。
『ええ。前回の肝試しで知りましたけどね
まぁ、波長が合うものは見えるっていうのが普通なのですが...
コンタミ先生は独創的...いえ、承認欲求といった方が合っていますかね？』
「う〜ん、自分では分からないけど、そうみたいだね」
眉を下げたコンタミ。
『まぁ、そう言うことなんでね、認めてやってくださいよ』
「お前はコンちゃんの親なんか？」
『ふはは、辞めてくださいよ。こういう性格なだけです』
「おかんやんけ」
ばどきょーの言葉に『良く言われました』と笑みを溢すA。
「...ﾅﾝｶ､らだお君ﾄﾊ全然違ｳﾈ」
『まぁ、兄とは結構似てないとは思ってますけどね』
「見た目は似てるけどね」
レウクラウドがそう言うとAは『そう...ですかね？』と首をかしげた。
「似てるとは思うけどね〜目元とか？」
「あー、確かに」
そうなのかとAはそわそわとしていたが、目元が似ている、と言われ『そこなんだ』とガラスに写る自分を眺めていた。
そんなとき、静かになった為か時計の針の音がカチカチと響く。
それによってAの視線は自然と時計へと動いた。
『...あ、朝だ』
Aの呟きに「え？」と皆の目が時計へと集まる。
「ほんまやな」
「Aはいつ帰る、の...？」
コンタミが振り向くとそこには人の影すらなかった。
「帰ったのかな？」
コンタミの言葉に次々と気がつき始める一同。
そんな中、場の空気も読まずにドアが開く。
「あ、らっだぁ」
始めに声を出したのはレウクラウド。
その視線の先にはらっだぁが立っていた。
「また残業で徹夜？」
「ブラックだからね」
「せっかく校内に休憩所があるのに」
らっだぁは奥さんが家にいるため住み込みではないものの、この四人は住み込みで仕事をしているため専用の部屋を持っている。
まぁ、それさえも中々使わないというのは言う間でもないだろう。
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作者名：咲々姫 | 作成日時：2021年2月2日 16時
