十一日目 ページ11
「で、昨日どうやったんですか？来ました？」
昼食をとっているときにチーノがそう問いかけてきて「ん？」と首をかしげた鬱。
「来んかったけど」
「は？」
呆れだす皆に「でも居ったよな？」と鬱はシャオロンへと目線を向けた。
「まぁ居ると思うで、あの感じは。
大先生の部屋綺麗やったし」
シャオロンがそう言うと「そういう問題か？」と呆れるトントン。
「で、オスマンはどう思う？」
グルッペンは食事を取りながらオスマンへと目線を向けた。
「居ると思うけどな、文字も見たし。」
オスマンの言葉にひとらんらんも頷いた。
「でも、俺見たことなかったかな。
まぁ、学校が学校だから女子見てるとセクハラ、って言われるっていうのもあると思う
名前なんて覚えてねぇし」
ひとらんらんの投げ捨てるような言葉に苦笑いを浮かべた兄さん。
「う〜ん...あ、大先生、ええこと考えたで！」
名案、と手を打つコネシマ。
「次あったときに、寝て朝連れてこればええやん」
「馬鹿か」
「なんでぇ？逃げられへんし、ええやん」
「ここは元女子校だっての。セクハラって訴えられるやろ」
「先に不法侵入したのはあっちやんけ」
コネシマの言葉に「やっぱ心ないわ」とため息をつく鬱。
皆も同意したのか、頷く。
「なんやねん、四面楚歌かよ」
口を尖らせるコネシマ。
「まぁ、当たり前やろ」
ロボロの言葉にコネシマは「童貞の癖に」とぼやいた。
そこ二人で言い合いを始めた。
「とりあえず、また会ったとき皆のとこに来るように言うとけばええんか？」
「それでええとは思うけどな」
始めこそ無関心だったが、最近は気になり始めているようだ。
皆が少しずつ鬱の話を聞くようになっている。
「う〜ん...もしかして、俺らに気を使ったとこかあるんかなぁ」
オスマンの発言に皆が不思議そうにする。
「なんでですか？」
「エミさんは居ったら分かると思うけど...
猫にしては、音が重くなかった？」
オスマンに言われ、脳内で振り返ってみる。
確かに、そんな気がする。
頷く三人に、オスマンは「仮に、やで？」と話始めた。
「いつもみたいに来たとするやん？元気な声が聞こえてきたら、遠慮して入られへんのやないかな」
「俺やったら行くけどな」
「シャオロンは中学ん時から陽キャやからな」
皆でわいわいと話が脱線していく。
そんな中、鬱は何気に今日は来るのか、と楽しみにしていたのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：咲々姫 | 作成日時：2021年2月2日 16時
