7個 ページ7
試合が開始した瞬間にドリブルで間合いを詰める。
驚いた女子生徒は後退り後ろにいる子の足を踏んでしまう。
バランスが崩れたのを見て間をぬってゴールを決める。
...入った。
直ぐに下がれば女子バスケット部の子がやって来ている。
う〜ん...
ブロックは身長的に無理だからドリブルをとる。
よし、上手くいった！
そのままほとんど全員が上がっていた為簡単に抜いてゴールを決める。
「...酷い！叩いてくるなんて！」
え？
私がボールをとった女バスの子がそう騒ぎ立てる。
あー...そう言うことね。
面倒くさ。
顔の前で暴れている髪をかきあげながら『ごめんなさいね』と手を差し出す。
その手は叩かれ睨み付けられる。
怒りからか若干震えている。
プライドが高いんか。
遠くから見ればこの子が泣いているように見えるだろうし...
「おい、A〜！何やってんだよ」
男子生徒にまで睨まれ茶々を入れられる始末。
私は悪役ですか。
『ごめんなさいね』
バスケットボールを持ち上げながらそう言うと舌打ちがきこえてくる。
ま、悪役やからな、聞く価値ないんやな。
いや、悪役とかなんやねん、何の小説や...
ため息をつく。
その日の学校は本当に私が悪役になるだけで終わった。
下校時、ある程度学校から離れると後ろなら話しかけられる。
振り返るとシャオロンがいた。
『あはは、なに湿気た顔しとるん？』
顔に影が射しているシャオロンにそう言えば幼い子供のように裾を引いてきた。
『ねぇ、見られるから。』
不満気にそう言うとシャオロンは今にも泣きそうな顔で見上げてくる。
『...はぁ、今日親が帰り遅いから家来る？』
シャオロンは手を離し黙って頷いた。
特に会話もなく家につきシャオロンにお茶を提供する。
『で、どうしたの？』
向かいに座りシャオロンを見るとシャオロンは決心したように、ゆっくりと話し出した。
sho「...俺、一時生徒会休止を命じられた」
『...は？』
なんで、と顔をあげる。
sho「上...生徒会長からさ、頭冷やせって」
は...？
困惑しか湧いてこない。
もしかしなくても、これは...
『私のせいやんな』
私がそう言うと「違う！」と庇ってくれる。
『いや、ええねん。シャオロン。私は、他人やで』
痛む胸を無視してそう言うとシャオロンはショックを受けた顔をした。
sho「やけど...っ」
微笑むとシャオロンは声をつまらせる。
それでええねん。
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作者名：咲々姫 | 作成日時：2021年1月1日 0時
