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sho「なぁ、A〜」
『ん？』
暗く寒い夜道を歩くため、体を縮みこませながら歩いているとシャオロンは足を止める。
どうしたの、と足を止めて振り返る。
寒いから早く帰りたいのに。
sho「...ごめん」
『何が？』
シャオロン、私に怒られるような事しとったっけ
sho「俺、好きや」
言われている意味も分からず唖然とする私の頬にシャオロンの手がのびる。
優しく撫でられる頬。
ハッとして回らない頭で『ぇ、』と声を漏らす。
sho「好き...何よな、Aのこと、ずっと」
『え、好きって...』
sho「まぁ〜...なんや、恋愛的に？」
後頭部をかき目線をそらすシャオロン。
sho「やから、付き合ってほしいな、って」
『...普通に、嬉しいわ。こちらこそ』
照れるとシャオロンは目を見開いた。
sho「あー、なんや...めちゃ嬉しい」
目線をそらすシャオロン。
照れすぎやないか？
『...とりあえず、帰るから...まぁ、またスマホで』
sho「え？あ、うん。分かったわ」
シャオロンと別れて家へと入る。
玄関にある靴。
顔をあげると奥から男性の声が聞こえてくる。
『...父さん？』
リビングに入ると父さんが立っていた。
『何してんの』
父さんは焦ったように此方を向く。
「あ、嗚呼...これ、母さんに渡しといてくれ。」
そう言って渡したのはお金だった。
子育て金？
ちら、と父さんを見ると「じゃあ、俺は帰るから」と家を出ていった。
少し細くなった体。
隈のついた顔。
変わったな、と思う。
だけど...
ねぇ、父さん
『なんで、私らの家知っとる上に鍵開けられてん？』
母さんが言ったとは思えないし、鍵が何で持っているのか何て分からない。
ありえない。
『...こわ』
笑いも起きない。
鍵を閉めて一つ一つ窓を確認する。
割れてるところはないし、ドアに抉じ開けた跡はない。
やはり、鍵を所持しているということだろう。
色々準備やら課題をしていると母さんが帰ってきた。
疲れた様子の母さんに、父さんの話をしていいものかと悩む。
『〜っ、母さん。ちょっとええ？』
「ん？ええけど」
先程の父さんの話をすると段々顔色が悪くなっていく。
『か、母さん。やっぱり、また今度にする...？』
「ああ、ごめんね。大丈夫よ」
にこ、と苦しそうに笑う母さん。
その表情に何も言えず見ることしか出来ない。
その顔が脳裏に焼き付いて離れなかった。
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作者名：咲々姫 | 作成日時：2021年1月1日 0時
