44個※ ページ44
点灯し現れたのはロボロ...騨平太とその姉役のだし子。
ここでも笑いが起きる。
変態、という単語も聞こえてくる。
これからそれで弄られるんやろうな。
かーわいそ。
知らへんけど。
少しすれば自分の役は死ぬ、裏方に回ったり表に出たりと忙しくなるだろう。
準備をしようと伸びをした。
話は進み最後のシーン。
感動したのかガチ泣きするぺいんとに観客席から応援の声が聞こえる。
何やっとんねん...
そう思いながらも泣きつつもきちんと演じようと努力するぺいんと。
そういうところが愛されてるんだろうな。
そう思いながらボーッと見ていると、隣から声をかけられる。
横を向くと死神のお姉さん。
「も〜、そんな化粧に服装した上でそんな顔したら、お化けみたいだよ？」
くす、と笑うお姉さん。
お化けみたい、かぁ...
「でも君、物凄かったね」
『...そうですか？』
「うん。
感情を廃止したみたいだったよ
本当に、どうでもいい、って思っていそうな...気がついたら消えちゃいそうな、儚い感じ」
そう言って笑うお姉さん。
『もしも...私が、このキャラクターだ、って言ったらどうしますか？』
自分の演じた台詞のキャラクター名には特に名もなく、"母体"ただそう書かれている。
少なくとも、あのときの私は"母体"、ただそれだけの人生だったのだろう。
目を閉じれば溢れ変えるように思い出す。
少し技術が発達したくらいだった
たまたま、あの電波を得ただけだった
それだけで私の存在は世界へと知らされ、見つかり次第殺された。
自分でいうのもなんだが、大分惨かったと思う。
大きな生物に囲まれ、抵抗もしていないのに「抵抗するな」と足を折られ、腕を折られ。
ぼんやりとした脳でやっと記憶できたのは向けられた銃口に勝ち誇ったように笑う"我が子"。
「私は...どうも思わないかな。あ、そう、って感じ。」
馬鹿だからかな、と頭をかくお姉さん。
『...いえ、すみません、変な質問しちゃって。』
「ほら、演技は終わったみたいね、さて、前に出るわよ」
大きな拍手の音を聞きながら舞台上に上がる。
それは、裏方さんたちも。
そして皆で一斉に頭を下げると、強くなる拍手。
顔をあげて、歩き出す。
裏に来た瞬間、安心したのか膝から崩れ落ちるぺいんと。
察していたのか、演劇部の皆は片付けを始めた。
確かに、泣いているときに絡まれるのは嫌やからな
私も離れようとしたとき、主役の四人に止められた。
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作者名：咲々姫 | 作成日時：2021年1月1日 0時
