43個※ ページ43
※この先ネタバレ注意※
ざわざわとざわめく客席を舞台裏から覗く。
人が多い。
「ああ、あまり動かないで！ずれちゃうから」
後ろを振り向くと死神。
私のそばに駆け寄ろうとして死神のお姉さんに怒られたらしい。
『良いじゃん、かわいいよ』
緑のストレートの長い髪を撫でる。
この物語は四章に別れているのだが"私"としての出番は最後の最後だけ。
それまではキャラクターの
なるべく声を変えてほしい、だとか。
照明へと回ることだってあるため、忙しい。
でも、絶対楽しい。
ちら、とトラゾー先輩やクロノア先輩、らっだぁ先輩にきょー先輩、コンタミ先輩、どりみー、レウさんが見えた。
「なぁ、何見とるん？」
振り向くと厚底で背をもったロボロがいた。
『客の様子です。ものによっては、注意喚起も必要かと思ったんだけど...
大丈夫そう』
ずれそうなかつらを直しながら後ろを向く。
丁度チャイムが鳴り、放送が入る。
「まもなく、演劇部発表、"我々の奇妙な日常『沼男は誰だ？』"が開演します。
演劇中は、席をお立ちになられないよう、宜しくお願い致します
また、携帯は〜」
注意を聞きながら死神の近くに寄る。
多くの演劇部員と、急遽集まったメンバーの私、ぺいんと、シャオロン、ロボロ。
皆で円陣を組み、気合いをいれる。
それと共に始めの動きのある私とぺいんと、演劇部の子は準備を始める。
幕が上がり、シーンとした空気がまとわりつく。
ぺいんとが職場にいる姿から始まる。
"黒沼太陽"、そう呼ばれるぺいんと。
黒沼太陽は少し話したあと、席をたった。
少しの暗転。
がら、と舞台上は変わり私は椅子に座り現れる。
そこにやってきた黒沼太陽。
話のタネをまく。
話は進んでいき、舞台は再び暗転した。
次に現れたのは雑にソファーに腰を掛ける死神演じる"地獄ミミ"と仕事をこなしているシャオロン演じる"卯月春"。
電話をとり茶番を始める二人に会場は盛り上がった。
仕方ない、と二人が動く素振りを見せたところで暗転。
人が足らないため、私たちも回って舞台設営をする。
次は大きな家の姿が現れる。
ここで私、藍美と黒沼太陽グループと地獄ミミ、卯月春グループがばったり会う。
中にはいる演技をし黒沼太陽を夫、"馬久留"のいる部屋へと案内した瞬間暗転。
バタバタと忙しいなぁ...
お客さんに飽きられないといいけど。
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作者名：咲々姫 | 作成日時：2021年1月1日 0時
