42個 ページ42
次の日。
午前、死神と回るため昨日のようにチャイムを聞いてから教室を出ると、死神がバタバタと音を立てながら走ってきた。
『ぅわ、どうしたの？』
sng「どうじよう"〜！」
『え、ちょ...と、とりあえず演劇部の部室行こうか』
半泣きの死神を引き部室にいく。
良かった、誰もいない...
『で、どうしたの？』
落ち着かせるために部室奥にあるウォーターサーバーから水を飲ませる。
大分落ち着いてきたのか、死神は少しずつ話し出した。
sng「ま、前に...演劇部の劇がある、って言ったよね」
『そうだね』
sng「...実は、役者が沢山休んじゃって...」
うぅ、と俯く死神。
出来るなら手を貸してあげたいけど...
死神に台本を見せて、と頼むと渋々見せてくれた。
文章を読んでいくと脳に浮かんでいく光景。
なるほど。
これなら...
『ねぇ、死神。どこの役、空いているの？』
sng「えっと、ここからここ」
綺麗に残っている役は主要キャラだ。
大切で、必要不可欠。
『分かった』
sng「え、な、何？」
『私、この役やるからさ。それ以外の役、あてがあるから、私に任せてくれない？
私から連絡は入れておくから』
そういうと心配そうに眉を潜める。
sng「でも、午後から始まるんだよ...？」
『大丈夫だよ』
あの人たちなら、やってくれるはず。
それに、私も手伝うし。
sng「...リハーサルはどうする？」
『多分、ぶっつけ本番になると思う』
sng「そっか...」
話ながら連絡を取る。
少しすれば皆にOKを貰う。
よし。
『ほら、死神。』
スマホを見せれば死神は「え、この人！？」と驚いた顔をする。
『大丈夫。』
私がそう言うと心配そうにしながら頷いた。
よし。
私は...
言葉は少ないし、覚えてる。
大丈夫、出来る。
心配そうにする死神に、『台本を持ってでいいなら、二人で練習しよう？』と言うと頷いた。
二人で客のざわつきを聞きながら小声で台本を読んだ。
聞こえないように小さい声で、でも演じる。
死神は演劇に入り込んだのか、スイッチが変わったように演じる。
違和感がないほどに。
凄いなぁ...
ちら、と死神を見ながら台本と見比べる。
凄く、上手い...
sng「...どうした？A、次の台詞だけど」
『ごめんね、』
焦り台本を読み始める。
緊張が解けてるみたいで良かった。
あと数時間で、他の皆が覚えてもらうのを待つだけ。
少し、楽しみだ。
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作者名：咲々姫 | 作成日時：2021年1月1日 0時
