40個 ページ40
諦めた先生に必死に話すいじめられっこ。
いじめられっこがスッキリしたのか話を止めると、「ふむ」と先生は考え込む。
「A。お前は反省文とかそういった処置は？」
『受けましたよ。』
「なら、もう解決しているんじゃないか？」
「だからぁ！」
もう一度話し出すいじめられっこ。
あ〜あ、こんなんじゃあ終わらないよ...
そう思ってため息をつき外を見ようとしたとき、ガラ、っと勝手にドアが開いた。
三人の目に始めに写ったのは、赤い揺れるマフラー。
いじめられっこはガタ、と立ち上がり駆け寄っていった。
先生は呆れながらも勝手に入ってきた生徒...トントン先輩に声をかける。
「すみませんね、今ここは入らないでもらえると...」
『先生。シュラハトの生徒会です』
「シュラハトの？じゃあ、まとめてほしいんだけど」
ここぞとばかりにお願いする先生。
まぁ、わかるよ。
面倒くさいもんね、この子。
tn「あー、なんや。俺、覚えとらんのやけど」
頭をかき困ったように話すトントン先輩。
その様子だと私のことも覚えていないようだ。
大方シュラハトの言葉を聞いて来たんやろうな。
必死にいじめられっこが話すと、少し覚えがあるのか「あー、」と反応した。
tn「なんやっけ...如月Aさん？」
『嗚呼...まぁ、それでいいですよ』
面倒くさいし、と肯定する。
tn「でも、これ話終わっとったやろ。
此方でも反省文残っとるし...」
え、まだ話しとるんか、と困惑するトントン先輩。
同意見だわ。
「でも、私は逃げたのが許せないんです！」
文書になっても、私は謝られてません！とあくまで主張を取り消さないいじめられっこ。
確かに謝ってはないけどさぁ...
口に出して否定したいけど、母さんに迷惑をかけたくないし
『すみません』
謝っておこうと謝ると「逃げたくせに！」と叫ぶ。
面倒くさい...
トントン先輩も流石に苛立ったのか、「お前、終わったこと一々引きずんなや」と舌打ちをするといじめられっこは黙った。
先生は変わりように唖然とする。
tn「嗚呼、ほんま家の生徒がすみません。
言い聞かせときますんで...」
「あ、嗚呼。嫌、大丈夫だよ」
tn「そう言って頂けて光栄です」
トントン先輩は頭を下げ出ていった。
...こわ
いじめられっこも黙って出ていく。
「...なんだ、Aも大変なんだな。」
『あはは...』
何故か哀れみの目で見られてしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 10人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：咲々姫 | 作成日時：2021年1月1日 0時
