25個 ページ25
「ったくよぉ」
ガッ、と蹴られる。
うざったらしく長々と話してくる内容を聞き流しながら心を無にする。
少しでも思い出す。
密閉された空間。
真っ白な壁。
一つのドア。
視界に写る白い髪の毛。
狭まる考え。
音を音として認識し、それを自分の感情とは遮断する。
「ちょっと、そこまでにしてくれないかな」
生徒たちの後ろから聞こえる声に遮断が中断する。
中々合わない焦点を合わせるとはっきりと見える足元。
「...生きてんの？」
顔をあげると不快そうに此方を見る目と合う。
『...あは、生徒会のひとらんらんさんが、こんな一般生徒に何の用で？』
掠れる声を絞り出すと煽ったのがバレたのか見ていた生徒に頬を叩かれる。
服汚れてもうた...
「お前、ひとらんらん様が話してんのがわかんねぇのか？」
胸ぐらを掴まれ無理やりあげられる。
男だからかほどほどの高さまであげられ首がしまる。
「はっ、ちょ、何やってんの？」
ひとらんらん先輩の奥に黒髪が揺れる。
あ...ぴくとやん、久しぶりやなぁ
ただじっと見ているとぴくとはやめろと止めていた。
騒ぎを聞いてかは知らないがシャオロンも入ってくる。
お前、なんでこんなときに来んねん...
しかし仲間と言うこともあるだろうし中々強く言えていない二人。
rd「うちの後輩に何してんですか〜？」
kyo「シュラハトさぁん、うちとしても生徒傷つけられるとなると困るんですがぁ〜」
con「A、ほら行こう」
ru「本当お前ら...何なの？」
md「ｻｲﾃｰ」
コンタミ先輩が肩を貸してくれる。
『ぃや〜、すみませ...』
con「...医務室、行こうか」
私のことを気にかけてか医療場ではなく構内を推薦してくれる。
優しいなぁ...
コンタミ先輩と一緒にその場を離れようとしている間、後ろから様々な声が聞こえてくる。
そっちに意識を回していたが、前からかけられた言葉に顔をあげる。
krn「え、どうしたの？脱水症状って俺は聞いてたんだけど...」
クロノア先輩の手には水の入ったペットボトルが二つあった。
顔をあげる私に片方のペットボトルを渡してくる。
追うようにやって来たのはトラゾー先輩、死神、ぺいんとだった。
皆は私を見ると驚いた顔をした。
con「とりあえず医務室行こう。皆も来ても良いよ」
嫌だと言いたかったがここまで迷惑をかけて我が儘を言うのも気が引けて黙る。
結局ぺいんとたちも着いてきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 10人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：咲々姫 | 作成日時：2021年1月1日 0時
