24個 ページ24
アンカーの戦い。
悪いが距離を開きに開かれている
一方二人で並走しているトントン先輩ときょー先輩。
しかし表情は並走なんてかわいらしい言葉に出来ない。
応援が小さく聞こえる。
未だ高鳴る鼓動はうるさく耳にまとわりつく。
ほとんど同時にはいるゴール。
あまり状況を読めない頭できょー先輩を見ていると押し付けるように頭にきょー先輩の掌が乗る。
顔をあげると笑いかけられる。
汗だらだら...
冷静になりつつある脳できょー先輩の手を払うときょー先輩は笑う。
kyo「一応医療場行こか」
なんで、と首をかしげると隣にいたスマイル君はふんっ、と笑った。
え、酷ない？
kyo「アホか、フラッフラになっとるんやから当たり前やろ」
きょー先輩は立たせるために私の腕を引く。
しかし力が入らず座り込んでしまう私。
『あー...すみませ...先生、呼んで...ほしいで...』
kyo「もう喋んな」
動かない私を見てか教師も動き出す。
無理に話そうとしたからか、頭が掻き回されるような感じがする。
ぼーっと一点を見つめる私の頬を支えて目を合わせてきたのはNakamu君だった。
nk「大丈夫ですか？
声聞こえたら手を握ってくださいね」
片手だけ繋いでそう言ってくる。
聞こえるため手を握ると「そうですか」とNakamu君は頷く。
ようやく先生がやって来て担架で運ばれる。
うわぁ、初めて乗った〜...
医療場に着くと保健の教師に怒られた。
しかも何故か、フルーフではなくシュラハトの。
「脱水症状やん、何やっとってん...
休憩に水分補給促されとったやろ？」
『...すみません』
渡された水を飲む。
脱水症状初めてなったわ...
ちら、と目線をあげると見える口元。
あー...
見てたのがバレたのか、「なに？」と笑う先生。
『何でもないですよ』
「んはは〜、うちのとこでも来なかったよね、Aちゃん？」
怪我してたの知ってるんだよ、と付け加える。
イコール虐め知ってるということになる。
ま、流石生徒会の先生のしんぺい神先生やな。
はぁ、とため息をつく。
『いやー、すみません、友達待ってるんで』
にこ、と笑い有無も言わさず逃げ出す。
出た場所に友達がいるわけでもない。
所詮逃げるための言い訳だ。
でも、口実となったかもしれない。
目線を反らす。
「...ねぇ」
ま、仕方ないか。
友達の代わりに目の前にいるのはシュラハトの生徒たちだった。
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作者名：咲々姫 | 作成日時：2021年1月1日 0時
